睡眠/睡眠歳時記・季節ごとの快眠法

夏から始める朝活……早起きのコツと思わぬ落とし穴

夏の朝は暑くて、早い時刻に目が覚めてしまう。そんな悩みを、新しい習慣に変えてしまいましょう。夏は早起きに適した季節。早起きして朝活に励めば、あなたの夢もきっと実現します。

坪田 聡

執筆者:坪田 聡

医師 / 睡眠ガイド

大切なのは将来のイメージ! 朝活の目的をはっきりさせましょう

早起き

夏は生体リズムから見ても、早起きしやすい季節です

私たちの睡眠時間は年中一定ではなく、季節によって長さが変わります。一年のうちで冬の睡眠時間が最も長く、春になると少し短くなり、夏に最も睡眠時間が減ります。私たちの睡眠は、昼の長さや日の出の時刻に対応して変化しているからです。

冬の朝は7時になってもまだ暗いですが、夏は4時半ごろから明るくなります。また、冬の朝はとても寒くて布団から出たくなくなりますが、夏には暑くて眠っていられないこともあります。このように、夏は早起きに適した季節なのです。

たしかに早起きを習慣にすることは、そう簡単なことではありません。しかし、いくつかのステップを確実に踏んでいけば、多くの場合、朝型人間になれます

まずは、朝活の目的をはっきりしましょう。「なんとなく」とか「人に言われたから」というのでは、長続きしません。早起きをしてでも成し遂げたい夢をイメージできれば、早起きは楽しくなります。

「早起きして勉強しよう」という目的では、まだダメです。勉強には辛いことや面倒なことが必ずありますから、そんな時にくじけてしまいます。勉強して何がしたいのか、知識や資格を得たとき生活はどう変わるのか、まで考えてください。将来の自分の姿をはっきりイメージできれば、早起き人間に替われます。

グッスリ眠ってスッキリ目覚めるためのコツ

朝食

子どもと一緒に、早起きに挑戦してみましょう

今日から早起きするぞ!と意気込んで、いきなりこれまでより2時間も早く目覚まし時計のアラームをかけても、長続きしません。また、翌朝は早く起きるのだから前の晩から早く寝なければいけないと思って、2時間も前に寝床についても普通は眠れません。

早起きを習慣化するには、「早寝早起き」ではなく、「早起き→早寝」の順に実行します。10~15分くらいの早起きを2~3日続けてみて、体が慣れたらさらに10~15分くらい早起きする。これを繰り返して、少しずつ目標とする起床時刻にしていきます。もちろん、睡眠時間を確保するために、早起きした分は早く眠るようにしなければなりません。

防犯上に問題がなければ、カーテンを少し開けておき、朝日が寝室に入るようにしておくと目覚めやすくなります。それでも、目覚ましのアラームが鳴っても起きる気がしないときには、早起きの目的を思い出してください。将来の自分の姿をイメージしても布団から出られないのなら、早起きはあきらめたほうがよさそうです。必ずしも「早起き人間=優れた人・偉い人」というわけではありません。朝型でない人は、自分が得意な日中や夜の時間帯に、能力を存分に発揮してください。

スッキリ目覚めるためには、グッスリ眠る必要があります。寝室の理想的な環境は、室温が26度以下、湿度は50~60%です。熱帯夜などで寝苦しいときには、積極的にエアコンを使って寝室の環境を整えてください。いまのところ夜間には、きびしく節電する必要がありません。また、シッカリ眠ったほうが体力を回復できて、日中の熱射病対策にもなります。

夜型の人は無理禁物? 睡眠不足に気を付けましょう

夜型

夜遅くまでの仕事を止められないなら、朝活はあきらめたほうが体のためです

「早起きを始めたら体調が悪くなった」と、訴える人がときどきいます。能力を発揮しやすい時間帯によって、私たちは朝型と夜型、昼型に分かれます。みんなが朝型になれるわけではありませんから、早起きが向いていないようであれば、早めにあきらめてください。タイムマネジメントをやり直して、昼休みや夜に時間を作るほうが得策です。

また、早起きを始めたのに、夜の眠る時刻を変えない、あるいは変えられない人がいます。もともと睡眠時間が長すぎたのであれば、問題はありません。しかし、一般的にはただでさえ短い睡眠時間が、さらに削られてしまうと、体調不良や能率低下の原因になります。早起きをするのであれば、それに見合った分は就寝時刻を早くするようにしましょう。

【関連サイト】
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