膨らみ続けるアメリカの財政赤字

アメリカの財政赤字問題に反応するように、米ドル安が続いている。

アメリカの財政赤字問題に反応するように、米ドル安が続いている

世界一の経済大国アメリカが、リーマンショックの後遺症から抜け出せません。アメリカはリーマンショック以後、景気の落ち込みをカバーするため、赤字覚悟で巨額の財政支出を続けてきました。

アメリカの2011年度の財政赤字は、1兆6450億ドル(約128兆円)。日本の国家予算が約90兆円なので、それ以上です。これはGDP比でいうと、10.9%にもなります。参考までにリーマンショック前の2007年の数字を出してみると、財政赤字額が1628億ドル(約12.7兆円)、GDP比が1.2%なので、なんとまるまる10倍!

これらはあくまで単年度の赤字であり、累積額を見るとさらに絶望的になります。アメリカのこれまでの累積赤字額は、明確になっている部分でも10兆ドル(約780兆円)以上。公的年金など他の公的部門の赤字を全て含めた数字は明確になっていませんが、それが50~60兆ドル(約3900~4680兆円)もあるといわれます。

何よりも厳しいのは、これだけの財政赤字を出してきたにも関わらず、アメリカ経済がリーマンショック以降あまり立ち直っていない点です。株価こそ多少回復していますが、失業率はまだ9%前後。住宅着工などその他の指標で見ても、回復はあまり力強くありません。

8月2日までに合意しないとデフォルト

そんな中、「8月2日にアメリカがデフォルトする」という恐れが広がっています。なぜでしょうか? それはアメリカの債務上限額を引き上げるための期限が、8月2日になっているためです。ちなみにデフォルトとは、国債などの返済が不可能になる「債務不履行」のこと。近年の例では、2001年12月にアルゼンチンがデフォルトをして、アルゼンチン国債を買っていた日本の地方自治体や法人が大きな損失を蒙りました。

現在のアメリカ連邦債務の法定上限額は、14兆2940億ドル(約1115兆円)と決められています。これを超えてしまうと、法律のためにそれ以上の国債が発行できません。アメリカがやりくりするためには、この上限を引き上げてさらに国債を発行する体制を作らないといけません。その期限が、8月2日というわけです。ちなみに連邦債務上限自体は、これまで何十年に渡って何十回も引き上げられており、引き上げは特別なことではありません。

8月2日までにアメリカ議会が上限引き上げに合意しないと、これ以上の国債が発行できなくなりデフォルトになります。