両党で隔たりがあるため、にらみ合い続く

債務上限を引き上げるために議会で法案を通さなくてはいけないのですが、民主党と共和党の主張に隔たりがあるために、なかなか進みません(これは日本の政治でも似たような状況です)。

民主党案としては、債務上限を2兆7000億ドル(約210兆円)引き上げ、その一方で今後10年間で2兆2000億ドル(約171兆円)の支出を削減したいとしています。

それに対して共和党案は、まず債務上限を9000億ドル(約70兆円)引き上げて、その代わりに支出を9170億ドル(約71.5兆円)削減。その後、来年2月までに債務上限をさらに1兆6000億ドル(約125兆円)引き上げ、追加で1兆8000億ドル(約140兆円)の支出削減をするというものです。

共和党の言い分では、民主党の案は支出削減額が債務上限額より小さいのが納得いかないということです。

このように両党で隔たりがあるため議会の採決は進まず、8月2日の期日が迫っています。

独り歩きする「デフォルト」という言葉

ただし、今回は「デフォルト」という言葉だけが独り歩きしていますが、本当に深刻なデフォルトとは少し違います。

2001年にアルゼンチンが宣言したような、本当に借金が返せないデフォルトは「デッド・サービス・デフォルト」といいますが、今回は「テクニカルデフォルト」といって、債券などの発行時の条件が守れないことを指します。これは、借金が返せないデフォルトほど深刻ではありません。

問題がまだ深刻でないことを示しているのが、アメリカ国債の金利です。ヨーロッパのギリシャなどの財政赤字問題では、ギリシャ国債のデフォルト(デッド・サービス・デフォルト)が近づいていることを示すために、国債の価格は下がり、利回りが上昇していきました。しかし、いま米国債の利回りを見ても急上昇している兆しはありません。つまり金融市場は、今回のデフォルト騒動をそれほど深刻なものと捉えていないことを意味します。

まだまだ終わらない財政赤字問題

8月2日のデフォルトを回避、乗り切ったとしても、アメリカの財政赤字の根本はまだ解決していません。それどころか、ギリシャもポルトガルも多くの国で財政赤字問題は今後ずっと続きます。

2011年8月2日を何事もなく終えても、世界経済の綱渡りは当分続きそうです。
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