「子がいる現役世帯で大人が1人の場合の相対的貧困率」は世界最悪
内閣府の平成26年版子ども・若者白書によると、OECDの2010年調査では、日本の「相対的貧困率」が加盟34カ国中、下から6番目の29位となっています。さらに、「子どもがいる現役世帯で大人が1人の場合の相対的貧困率」にいたっては、日本は50.8%で33カ国中(データが欠損している韓国を除く)、最下位の33位となっています。50%越えは日本のみで、OECD平均を20%近く下回っています。※内閣府の平成26年版子ども・若者白書では、日本の貧困率は前ページにある表の平成21年の数値を使用しています。
「相対的貧困率」の傾向としては、ヨーロッパの寒い地域の国々が低く、アメリカや同じアジアの韓国は日本と同程度となっています。「子どもがいる現役世帯で大人が1人の場合の相対的貧困率」でも、北欧諸国がかなり低く、日本やアメリカが比較的高い貧困率となっています。
貧困率の高さは、国内での所得格差が大きいことを表しているとも言えます。他国よりも貧困率が高い状況は、国として是正していかなければなりませんが、その前に日本が国として北欧諸国のようになりたいのか、アメリカのようになりたいのか、オリジナルでいきたいのか方向性を明確にしなければなりません。勿論個々においても、国や自治体任せにするのではなく、所得を増やす努力などもしていく必要があります。
貧困率が全てではない
「相対的貧困率」が貧困の実態を全て表しているわけではありません。「相対的貧困率」は所得額から判断していて、資産などは考慮されていません。山や田畑を沢山所有していても所得が低ければ貧困に該当しているかもしれません。「相対的貧困率」という尺度から見れば、他国より率が高いのは事実であり、低くなるに越したことはありません。ただ、「相対的貧困率」の場合、他の人の所得と比べていることから、みんなの所得が同じように増えたら、貧困率はあまり変わらないはずです。北欧諸国は所得格差が小さいから「相対的貧困率」が低いのではないかと考えられます。
「相対的貧困率」でいう貧困層から脱出するには、所得を増やすか世帯人数を減らすかになりますが、所得が思うように増えなくても、お金の使い方や管理の仕方を最適化していくことで、生活を相当改善させることは十分可能です。
「子どもがいる現役世帯で大人が1人の場合の貧困率」では、母子家庭や父子家庭の生活がとても厳しい状況であることを示しています。離別や死別を想定したライフプランニングや保障設計をしていれば、もしかしたら厳しい状況を回避できたかもしれません。特に死別の場合は、残された家族が困ることのないように必要保障額を計算し、適切な保険金額や保障期間にしておくことが、いかに重要か十分に理解して備えておくことが大事です。
もし自分が貧困線未満の所得であったとしても、貧しいかどうかや生活が大変かどうかは、本人の気の持ちようであり、他人が決めることではありません。心が豊かであれば、貧困率は特に気にしなくても良いのではないでしょうか。
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・ 内閣府「平成26年版子ども・若者白書」