維持管理のしやすさ
建物の維持管理のしやすさが分かる部分は「4.維持管理への配慮」です(【図4】参照)。4-1「維持管理対策等級(専用配管)」の部分では、住戸の専用の給排水管、給湯管及びガス管の維持管理(清掃、点検及び補修)を簡単にできる造りになっているかどうかを示しています。4-4「更新対策(住戸専用部)」では、間取り変更(リフォーム)が簡単にできる造りかどうかを示しています(【図4】参照)。
間取り変更のリフォームをする際、床スラブと天井スラブの距離(躯体天井高さといいます)があればあるほどリフォームに対応しやすいため、まずここで躯体天井高さがどのくらいあるかを数字で明示しています。このモデルでは2910ミリとなっており、躯体天井高さが2.91メートルあることがわかりました。
そして次に、天井から梁などが突出していると間仕切りの位置の変更に大きな影響があるため、そのような梁など天井から下がる部分の有無と、ある場合はその部位(梁、傾斜屋根、その他)の名称、最も低い部分の内法高さが記載されます。このモデルでは梁が天井から突出している部分があり、梁下寸法が2380ミリ、2.38メートルある、としています。
以上、今回は各住戸ごとの「避難のしやすさ」と「メンテナンスのしやすさ」の部分の読み解き方に触れました。
この続きとして省エネ性、シックハウス対策、光・視環境、バリアフリー性についての評価項目があります。「住宅性能評価書の見方(3)」に続きます。
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