土地活用のノウハウ/空室対策・賃貸管理・老朽化

家賃滞納の不良入居者に苦労した二人の女性オーナー(3ページ目)

オーナーさんの賃貸住宅経営の最大の悩み事は空室問題ですが、次に多いのが賃料滞納です。入居者がいても賃料が入らないのでは空室と同じですが、もっと悪いのは滞納者の開き直りとも言える態度がみられる場合です。今回は、賃料滞納にご苦労された2人のオーナーさんの実例を取り上げました。共通の原因は、「自主管理」の限界ですが、自主管理にあたっての考え方、管理を委託する場合の注意点などを取り上げました。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

適性が問われる自主管理 

家賃督促

嫌な家賃督促を、他人の手助けで

不動産管理会社を使わずご自身で管理業務を行う「自主管理」の場合、オーナーさんには社交的で人づきあいが上手であることが求められます。差配する能力があれば、複数の不動産屋さんをまたに掛けて競わせることもできますし、リフォーム会社も上手に使って、気持ち良く働かせることができます。一方で、家賃滞納が出た場合にどう対処するかといった、判断力や気力も必要になってきます。

そういうオーナーさんを成功するオーナーさんとすれば、反対に判断ができなかったり、コミュニケーション能力に問題があったり、上から目線だったりするオーナーさんは失敗するケースが多いものです。

滞納された場合にも、オーナーさんに自分できちんと応対し、不良入居者と渡り合う覚悟があればよいのですが、家賃を回収する自信が十分ないのであれば、回収のプロである不動産管理会社に集金を委託することです。

集金業務だけであれば、委託の手数料は家賃の3~5%ほどなのですから。集金管理を委託し、滞納保証まではつけていないという管理契約スタイルでも、管理会社は入居者が指定の日に入金しなかったら電話し、入金を促すのは当然の仕事になります。

中には書面で催促したり、直接出向いて催促してくれる管理会社もあります。ただし、催促を熱心にやってくれるとは言っても、滞納の損失は補填してくれません。

集金管理に加えて滞納保証をつけると、委託手数料は普通5~7%となります。この場合、入居者が滞納していたとしても、管理会社からオーナーさんに立替え送金してくれます。オーナーさんに代わって管理会社が滞納リスクを背負う形です。

ただしその場合も、入居者が退去して空室が出た場合の空室保証まではしてくれません。そこまで全てやってくれるのが、家賃保証あるいはサブリースと呼ばれる契約です。査定される賃料相場の85~90%程度で借り上げてもらいます。滞納や空室のリスクは不動産会社が全て負います。

いくつもある管理会社との契約スタイルのうちどれを選ぶかは、それぞれのオーナーさんの事情や考え方次第です。他に仕事をお持ちで時間に余裕のないサラリーマン大家さんと、時間的に余裕のある専業大家さんとでも違ってくるでしょう。
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