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積水ハウス(3) 空気環境配慮仕様「エアキス」(2ページ目)

シックハウス症候群の問題が指摘されるようになり、住宅内の空気の質にも注目が集まるようになりました。では現在、ハウスメーカーによる対応はどのようになっているのでしょうか。積水ハウスがこのほど発売した空気環境配慮仕様「エアキス」を例に、その最新動向をご紹介します。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

新築住宅を訪れた時、「あー新築のいい香り」などと感じた経験、皆さんにはありませんか。私は職業上、よく新築住宅の中に入ることがあるのですが、これまでは脳天気にそんな風に感じていました。その香りの中にもしかしたら健康上有害な化学物質が含まれているとも知らずに…。

第三者機関が化学物質濃度を測定

積水ハウスの「エアキス」では、5つの物質について、竣工時にリビングと子ども部屋の2ヵ所について厚生労働省が定めた測定方法で濃度測定を実施。データを第三者機関で分析し、引き渡し時に「性能評価証」を発行し結果を知らせるといいます。これなら安心ですね。

化学物質測定装置

化学物質測定装置。第三者機関によって化学物質濃度が測定され、基準をクリアしていることが確認される

しかも、もし測定で基準をクリアできなかったら、何度でも工事をやり直すそうです。今回の説明会では、エアキス仕様の建材とF★★★★建材のにおいを嗅ぎ比べてみましたが、エアキス仕様の建材に比べて、F★★★★建材は結構においが強いことが確認できました。

でも、いくら健康にいい建材だといっても、選択できるだけのバリエーションが豊かでなければ、実際に住宅に導入されることは難しいものです。また導入コストも高くなってしまっては、実用には適しません。それが、いわゆる「健康住宅」のネックでした。

積水ハウスは「住宅総合研究所」(京都府木津川市)で、建材の実証実験を実施。それにより、アイテムの信頼性を確保しながら、コストダウンにも成功し、オリジナルのインテリアコーディネートシステムについて標準仕様で対応できるようになったそうです。

水と同様、空気もタダではなくなった?

建材・資材

エアキスの基準に合うよう、数多くの建材や素材の化学物質濃度が測定され採用されている。その結果、豊富なバラエティーを実現している

ちなみに、積水ハウスでは住宅総合研究所のほか、2007年から千葉大学との産学共同研究「ケミレスタウン・プロジェクト」(積水ハウスのほか東急ホームズなども参加)に参画するなど、化学物質を極力減らす建物の研究を実施。「エアキス」にはその成果も盛り込まれているのです。

一昔前まで、日本では水や空気はタダといわれてきました。しかし、現代ではミネラルウォーターを購入するのが一般的になったように、水についてはお金を出して購入するものという認識が定着しました。

積水ハウスの「エアキス」のような提案が出てきたところを見ると、それは空気についても同様のよう。放射能問題はおおげさかも(というか住宅単体では対策は難しそう)しれませんが、空気の質は目に見えないもの。住宅の善し悪しを判断する一つの基準として、室内空気質というポイントが今後注目度が増しそうです。

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