外壁・屋根・断熱材/外壁材・屋根材・サイディングの選び方

外装サイディングの種類と特徴&選び方のポイント

住宅の外装材として多く用いられているサイディング。各メーカーからさまざまな商品が揃っていますが、窯業・金属・樹脂など構成する素材によって、いくつかの種類に分類することができます。ここでは、プランニングの前に知っておきたい、各材質の特徴や選び方のポイントについてまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

新築でもリフォームでも、住宅に多く用いられるサイディング

厳しい自然環境から住まいを守り、また、外観のイメージも大きく左右する外装材。一般的な戸建住宅の主な外装材には、サイディング、モルタル・塗壁、タイルなどがありますが、その中でも、最も多く用いられているのがサイディングでしょう。

サイディングとは、建物の外壁に用いられるボード状の建材のこと。工場生産のため品質が均一、施工性が高いのが特徴です。素材によって異なりますが、建材メーカーから、性能や価格、デザインなどのバリエーションも豊富に揃っており、さまざまな外観デザインに取り入れることが可能。新築でもリフォームでも用いやすい建材です。
 
中空軽量設計で板厚は18mm。深彫り設計。表面仕上げは、2色塗装にセラジェット塗装とグラデーション塗装を施し、異なるテクスチャーのタイル柄が特徴。 [ネオロックundefined光セラ18undefinedガーランドタイルundefinedグレイズ チタン グレー]undefinedケイミューundefinedhttp://www.kmew.co.jp/

中空軽量設計で板厚は18mm。深彫り設計。表面仕上げは、2色塗装にセラジェット塗装とグラデーション塗装を施し、異なるテクスチャーのタイル柄が特徴。 [ネオロック 光セラ18 ガーランドタイル グレイズ チタン グレー] ケイミュー

 

サイディングには、窯業系・金属系・木質系・樹脂系がある

サイディングは、構成される素材によって、窯業系、金属系、木質系、樹脂系などに分類することができます。

■窯業系サイディング  一般的な住宅で多く用いられる
窯業系サイディングは、セメントなどを原料とし、繊維質原料を加え成型したもの。現在、一般的な住宅で最も多く取り入れられている外装材です。

外壁をすっきり仕上げるシーリングレスの「新四辺合じゃくり工法」を採用した窯業系外装材。セルフクリーニング機能と防藻、防カビ機能を持つ「セルフッ素コート・PLUS」、「塗膜15年保証」も対応。[AT-WALL15PシリーズundefinedシュクールPの施工例(色:シュクールビターP)]undefined旭トステム外装undefined https://www.asahitostem.co.jp/

外壁をすっきり仕上げるシーリングレスの「新四辺合じゃくり工法」を採用した窯業系外装材。セルフクリーニング機能と防藻、防カビ機能を持つ「セルフッ素コート・PLUS」、「塗膜15年保証」も対応。[AT-WALL15Pシリーズ シュクールPの施工例(色:シュクールビターP)] 旭トステム外装

硬質で密度が高いため、耐震性や防耐火性、遮音性などに優れていること、商品的なバリエーションも豊富で、価格帯の幅も広いのが特徴でしょう。厚みは、14、15、16、18ミリなど。デザイン的には、シンプルなものから、タイル調や石積調、木目調など本物のような風合いを持つ商品まで揃っているので、どんな外観にもコーディネートすることが可能です。工場で塗装処理を施したもの、現場で塗装を行う場合の無塗装のタイプもみられます。

最近では、表面の塗装などに工夫を施して、汚れにくく、メンテナンスを楽にしたタイプが多くみられます。紫外線の影響を防ぎ、色褪せや日焼けなどを抑え耐候性を高める塗装、汚れを防ぐために、光触媒塗装などを施したり、親水性のコーティングを用いるといった商品も。塗膜保証を設定した商品も増えてきています。また、サイディングの継ぎ目に充填するシーリングを目立たなくすることで、すっきりと仕上がり、目地の汚れや耐久性を高めた商品などもみられます。

窯業系のサイディングは、商品に適した表面塗装やシーリングのメンテナンスがポイント。色あせや汚れ、塗装面に触れた時に白い粉が付くような時は再塗装を検討を。シーリングの亀裂や剥離などがみられた場合には、シーリング打ち替えなども必要でしょう。

■金属系サイディング  軽量なためリフォーム時にも取り入れやすい
金属系のサイディングは、金属板を成型、表面や接続部の加工を施し、裏面材や断熱効果のあるしん材で構成した建材。表面材は、塗装ガルバリウム鋼板、塗装溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム合金塗装板、塗装ステンレス鋼板などがあります。

軽量で建物(構造躯体)への負担が少ないこと、断熱性や防水性、防音性が高く、ひび割れや凍害などに強いこと、などが特徴。金属の持つシャープでモダンな雰囲気のデザインだけでなく、風合いのあるレンガ調や石積調などのデザインもみられ、商品バリエーションも豊富に揃っています。窯業系同様に、外壁の塗膜は変色や色落ちを防ぐための塗装などを施したものやセルフクリーニング機能付きのタイプも。また、既存の外壁に重ねて張ることができる、リフォーム向けの商品もでています。

美しく保つためには、定期的に点検し、早めにメンテナンスをすることが基本。本体に凹みや傷がないかどうか、表面の変色や塗装面に触れた時につく白い粉、カビなども確認を。環境にもよりますが、年に数回の水洗いも必要でしょう。
 
本体のしん材に、高い断熱性能を持つノンフロン硬質プラスチックフォーム断熱材を使用。表面材のアルミニウム板には、耐久性や耐侯性を向上させる高性能塗料でコーティング。[アルミ外装材 アルカベールundefinedきらめき]undefinedYKK APundefinedhttp://www.ykkap.co.jp/

本体のしん材に、高い断熱性能を持つノンフロン硬質プラスチックフォーム断熱材を使用。表面材のアルミニウム板には、耐久性や耐侯性を向上させる高性能塗料でコーティング。[アルミ外装材 アルカベール きらめき] YKK AP

■樹脂系サイディング  軽量で耐候性に優れる
塩化ビニル樹脂を原料とした樹脂系サイディングは、北米で生まれた建材。耐久性、塩害や凍害など耐候性にも優れ、錆や腐食の心配もなく、劣化や退色もほとんどありません。軽量なので建物に負担がかからないのでリフォームにも適しているでしょう。商品のバリエーションはあまり多くはありませんが、輸入住宅のデザインに適するタイプがみられます。樹脂サイディングを使用した外壁構造は、建築基準法により規制されるため、準防火地域や22条区域での使用は、各メーカーが個別に認定を取得した商品を使用することになります。

■木質系サイディング  風合いが魅力、環境にもやさしい
天然木に塗装や表面処理などを施したもの。断熱性能なども高く、環境にもやさしい建材でしょう。さまざまな樹種も揃い、横張りや縦張りタイプも。その風合いが大きな魅力ですが、メンテナンスの手間もかかるケースもあるので、事前にどのようなお手入れが必要か確認しておくことが大切です。
 

それぞれの特徴を理解して選ぶ。ショールームで実物の確認を

サイディングは、素材はもちろん商品によって、その特徴は異なります。選ぶ際には、性能や機能の特徴を確認することが重要ですし、敷地の自然環境(太陽光、雨水、風雪、台風など)などに適した商品を選ぶことも大切です。専門的な知識も必要なので、実際に家づくりを進める中では、設計者の提案から検討をすることも多いでしょう。提案商品の選択理由、メリットデメリットをしっかり確認しておくことが大切です。

また、色味やテクスチャーなどは実際に見ないとイメージしにくいので、可能であれば、ショールームで実物のチェックを。模様や柄を持つタイプは、パターンの大きさや陰影なども確認しておくようにしましょう。
 
色あせが少なく、長期にわたり外観を美しく保つ、遮熱性フッ素焼付塗装を採用。本体芯材に高い断熱性を持つ、硬質イソシアヌレートフォームを使用。[金属サイディング はる・一番undefinedデザインシリーズ16undefined細石柄IIundefined細石アイスホワイト]undefined ケイミューundefinedhttp://www.kmew.co.jp/

色あせが少なく、長期にわたり外観を美しく保つ、遮熱性フッ素焼付塗装を採用。本体芯材に高い断熱性を持つ、硬質イソシアヌレートフォームを使用。[金属サイディング はる・一番 デザインシリーズ16 細石柄II 細石アイスホワイト]  ケイミュー

メンテナンスや保証内容などを事前に確認を

保証やメンテナンスに関しては、事前に充分に確認すること。保障内容は、外装材本体に対するものや変色・褐色などに対する保証、目地部分に対する保証などがあるので、具体的な内容をチェックするようにしましょう。

また、サイディングは、経年により、何かしらのメンテナンスは必要です。選ぶ際には、イニシャルコストだけでなく、補修やメンテナンスにかかるランニングコストを考え合わせ、長期的な視点で商品選択することがポイントでしょう。


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