このクラスのSUVでダントツに格好い
2009年に国内に登場したプレミアムなコンパクトサイズSUV。2リッターターボを積むFFのT5 LE(499万円)、3リッターターボで4WDのT6 AWD SE(609万円)、スポーティな内外装やスポーツサスペンションを備えたT6 AWD Rデザイン(669万円)をラインナップする
サイズは全長4625×全幅1890×全高1715mm。追突の危険を感知すると時速30km/h以下で自動的にブレーキをかけつつエンジン出力を抑制するシティ・セーフティに加え、前方の歩行者を認識して衝突を回避またはダメージを軽減する歩行者検知機能付きフルオートブレーキシステムも備わる
そういう意味では、最新ボルボのイメージリーダーと言えるかも。なにせ、当初は600万円級のT6 SE AWDのみという強気の販売戦略だったにも関わらず、V70やV50といった主力モデルに継ぐセールスを記録したらしい。全世界的に見れば、そのポジションはもっと上。後追いで、日本市場にも500万円を切るFFモデル(T5 LE)が導入されている(街乗りメインなら、絶対コッチがオススメ)から、その重要度はさらに上がっているはず。
クロスオーバーSUVというカテゴリーは、言ってしまえば実用よりのスペシャリティカーという位置づけ。それゆえ、国産SUVの人気が落ち着いたあとは、“人とは違う”ものを求めて輸入SUVへの注目が高まっているのだ。スペシャリティのなかの、さらにスペシャル。販売の絶対台数はそれほど多くないけれども、昔に比べて求めやすい価格帯のニューモデル(フォルクスワーゲンティグアンやBMW X1、アウディQ5)が相次いで導入されたため、マーケットそのものは活性化した。
そんななかでのXC60の位置づけは、もちろん“あのボルボのSUV”というイメージが先に立つものの、同時に“これが、あのボルボ!?”と、よく知らない人を驚かせるに十分な、内外装デザインのスタイリッシュさがまた、人気上昇に拍車をかけているのだと思う。
とにかく、今、このクラスのSUVで、ダントツに格好いい。他のブランドが、アイデンティティに縛られているのに対して、ボルボは古いイメージを脱ぎ捨てようとしていたから、逆にここまでダイナミックなカタチにできたのだろう。
安全性の高さも最新最先端だから、古いイメージ=安全のボルボで乗るもよし、カタチから入って、今もっともモダンなSUVを買ったという満足度を得てもよし。後者の方は、新しいイメージのボルボを一緒に盛り上げる/育てるという意気込みで、乗って欲しい。