サムライ・サプライヤーとタッグを組んだ“D4”

ボルボV60D4

2015年に追加設定された、ディーゼルを搭載するD4モデル。ミドルクラスのS60/V60にも設定され、V60の価格はベーシックグレードのD4SE(写真)が474万円、スポーティなD4 R-DESIGNが549万円


ボルボは今、ブランドイメージの再構築に懸命だ。すでにかつての栄光(=人気)は忘れ去られつつあり、遺産(=ロイヤルユーザー)もほぼ使い果たした。それを見越して、メーカーは根幹である安全性を世界最新レベルに保ったままで、デザインコンシャスなブランドへと脱皮を計ってきたのだ。もう四角いボルボは昔話の世界にしかない。

そんなボルボが最近になって進めているのが、新世代の軽量・高効率パワートレイン「DRIVE-E」の搭載だ。日本市場ではより特色を出すべく、“D4”と呼ばれる直噴2Lターボディーゼル+8ATに絞って、V40、S60、V60、XC60といった人気モデルへ一挙に積みこんで、今夏に日本で初披露した。

ボルボV60D4

2Lディーゼルターボは最高出力190ps/最大トルク400Nmを発生。JC08モード燃費は20.2km/lとなる


このD4ディーゼルの特徴は、何といっても乗用車初となる2500気圧のデンソー製噴射システムの採用だろう。加えてミッションはアイシンAW製の8ATだから、サムライ・サプライヤーがボルボD4エンジンの鍵を握ったことになる。

ボルボV60D4

ボディサイズは全長4635mm×全幅1865mm×全高1480mm、ホイールベースは2775mm


今回、撮影取材に連れ出したのはV60のみだったが、V40にも試乗済みなので併せてリポートしておこう。

ボルボV60D4

インテリアは他グレードと同様に。3つのテーマが選べるデジタル液晶メーターパネルを備える。センタースタックももちろん採用

ボルボV60D4

SEには本革シートや前席シートヒーターを備えるレザー・パッケージ(36万円)も用意される

ボルボV60D4

後席は分割可倒式(40:20:40)とされ、ラゲージの使い勝手を向上


V60に“ジャストマッチ”のパワートレイン

ボルボV60D4

ディーゼルエンジンには、デンソーが開発したi-ARTを採用。これは各インジェクターに圧力センサーを取り付け、圧力やタイミングを自動制御する技術。個々の燃焼サイクルに最適な噴射を行うため、燃費とクリーン性能を向上させる


結論から言うと、V40用としては“トゥーマッチ”だったが、V60(そしておそらくS60、XC60)には“ジャストマッチ”のパワートレインだった。

1000回転を超えたあたりから300Nmを発揮し、1750回転で最大トルク値の400Nmに達するから、力強いことは確か。その強さがまるで味付けの濃いソースのように鼻についたV40とは違って、V60では車内へのノイズの進入もかなり少なく、車体とのバランスもよく取れており、ほぼ全域に渡って気持ちよくディーゼルらしい力強い加速を楽しむことができた。スパイスは効き過ぎているよりも、足りるか足りないくらいの方が、素材の持ち味も気分よくじっくり味わえるというものだ。

フロントヘビーな感覚もかなり薄まっており、非常に乗りやすい。パワートレインの上質な作動フィールが、ハーフスロットルでの何気ない加速で感じられるあたり、完成度は非常に高く、Dセグメント級以上での使用に見合ったエンジンだと断言する。

ボルボV60D4

ボルボらしく安全装備も充実。10種類の安全装備をもつインテリセーフを標準で採用。歩行者・サイクリスト検知機能付追突回避・軽減フルオートブレーキ・システムや全車速追従機能付ACCなどを備える


低中速域における乗り心地も、V40よりはるかにマトモだ。不快なフロアのゆれもなく、妙にばたつくこともない。速度を上げれば上げるほど、しなやかさが増していく。高速安定性も問題なく、低回転域でクルージングする安楽さは、すぐに飽きてしまう加速の力強さ(ディーゼル車全般)よりも、ビッグトルク・ディーゼルターボ最大の魅力だとボクは思う。V60の場合、荷物を積めばさらにバランスのいい走りになると思う。

燃費性能も期待できそうだから、長距離ドライブ+家族と荷物を積んでのレジャーに、ベストチョイスの一台だ。

ボルボV60D4

エネルギー回生システムやアイドリングストップ機構に加え、省燃費走行モードのECO+モードも備える

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