西武新宿から20分、
始発もある便利な立地
北口にはバスロータリー、タクシー乗り場が整備され、緑も豊富。朝7~8時台には20本前後の上り電車があり、都心への通勤には便利
江戸時代から青梅街道、所沢街道が交差する宿場町として栄えてきた田無(西東京市)は西武新宿線で西武新宿から急行で約20分。準急、通勤急行なども停車し、通勤時間帯には始発も出ている駅で、西武新宿線沿線で乗換えのない駅としてはトップクラスの乗降客数があります。鉄道だけでなく、西武池袋線、中央線方面へのバス便も複数出ています。
駅南口は北口に比べロータリーもなく、コンパクト。駅前には飲食店を中心に店舗が並ぶ
残念ながら、宿場町としての面影は戦争中の空襲の影響などで寺社などを除けば、あまり残されていませんが、一時は地域の商業の拠点だったこともあり、駅南北には商店街が。こじんまりとはしていますが、飲食店街や地元の人に長く愛されてきたであろう喫茶店なども見かけました。
南口は駅から少し離れたところに石神井川が流れており、周辺には都営住宅が何棟か集まっている
住宅地としての開発は1960年代以降。西武新宿線が学生街高田馬場を通るため、学生向きのアパートが多く建てられ、住宅を購入する人も増え、街は一気に宅地化されます。1975年(昭和50年)以降は都営住宅も多く建てられています。集合住宅、つまりマンションが建てられ始めたのは1980年代に入ってから。駅から徒歩10分圏内では賃貸も含め、数十戸規模の物件が建てられています。
駅周辺に商業施設、公共施設、
総合病院が集中
専門店街、スーパーなどが入った北口駅前の大型商業施設。屋上にはフットサルコートも
その後、街が大きく変わるきっかけになったのは1995年(平成7年)から始まった北口再開発です。緑の濃い駅前広場を挟んで、駅の向かいにはペデストリアンデッキでつながった専門店街、スーパーなどからなる大規模商業施設が建ち、正面には17階建てのマンションも。10階建て以上の建物が少ない田無にあってはひときわ目立つランドマークです。
駅北口、再開発で誕生した17階建てのマンション。通り沿いや写真左手に商店街、飲食店街が広がる
ちなみに駅から徒歩1分のこのマンション、50平米強から100平米弱まで200戸弱があり、賃貸、分譲ともにたまに供給されています。言葉通りの駅前立地のため、賃料で60平米強で15万円前後、売買で4000万円以上と相場、築年からすると高めですが、コンスタントに人気があるようです。
西東京市ではゴミの削減、リサイクルなどにも熱心に取り組んでいる。曜日ごとに収集内容は異なるが、平日は毎日ゴミ収集がある
北口再開発以降、もうひとつの大きな出来事は2001年の田無市、保谷市の合併によって西東京市が誕生したこと。元々、田無市は埼玉県蕨市、同鳩ヶ谷市、東京都狛江市についで全国でも4番目に小さい市で、明治時代から他自治体との合併構想があったのですが、実現したのは21世紀に入ってから。2011年で誕生10年目になります。
通り左手の茶色い建物が中央図書館、その先のガラス張りがスポーツ・文化センター。同じ通り沿い、図書館の隣、駅寄りには市役所田無庁舎も
自治体として市域が小さかったことから、田無駅南口側には市役所田無庁舎、中央図書館、公民館、スポーツ・文化センターが同じ一画に集中しており、利用者には便利。また、駅10分圏には救急指定の総合病院も複数あり、クリニックも含めると子育て世帯はもちろん、シニア層にも安心な街と言えそうです。
雑木林、畑に
緑、花に彩られた住宅が多数
庭、エントランスに緑を配した家の多い住宅街。歩くのが楽しい
駅から10分以上離れると、まだまだ雑木林、畑なども残され、大きな公園もある田無。それ以上に歩いていて印象的だったのは、個人宅の庭、エントランスの緑がきれいなことです。
歩いている最中にも庭の手入れをする人を多く見かけた。ガーデニング好きの人なら見て歩くうちに交流も得られるだろう
西東京市は花と緑のまちづくり運動を推進しており、その一環として地元のNPOと一緒に個人、事業所の庭を一定期間公開するという事業「西東京オープンガーデン」を行っています。市内に40カ所ほどそうした庭があるそうで、周囲のきれいな庭を見ていると、我が家も!と思うのでしょう、公開されていなくても手入れの行き届いたお宅が目につくのです。ガーデニングがお好きという方なら、住むのも、歩くのも楽しいはずです。
●
田無駅周辺の幹線道路、施設など
青梅街道、新青梅街道、所沢街道が北側を走る田無駅周辺。概念図のため、位置、距離などについては正確ではない
さて、最後に
西武新宿線田無周辺の住宅事情を見ていきましょう。