トリコモナス腟炎とは……感染経路・原因・再発パターン
他の性感染症と同様にパートナーの治療も必ず行いましょう
感染者数は減ってきていますが再発を繰り返す難治症例も少なくありません。再発のパターンは以下のいずれか。
- 治療が不十分でトリコモナスが残っていた
- 腟内だけしか治療しなかったため、尿道や子宮内部から自己感染した
- パートナーから再感染した
パートナーも含めて全身の感染症としてしっかり治療することが大切です。
<目次>
自覚症状がない? 男性・女性のトリコモナスの症状
■男性のトリコモナスの症状トリコモナスは男性にも感染します。排尿時の痛みや尿道からの分泌物など、尿道炎症状を起こすことがありますが、大部分は全く自覚症状がありません。尿道だけでなく前立腺や精嚢にも感染するため、不十分な治療では潜伏感染の状態になる可能性があります。
■女性のトリコモナスの症状(腟トリコモナス症の症状)
男性に比べると症状が出やすいといわれていますが、20~50%は無症状のため、感染に気づかずに時間が経ってしまうケースもあります。主な症状は、外陰部の強い痒みや腟の刺激感と、泡状の臭いが強いおりものです。
腟内だけでなく、尿道や膀胱に感染すると、頻尿や排尿時の痛みなど尿道炎・膀胱炎症状を引き起こすこともあります。膀胱炎だと思って泌尿器科を受診したら、尿の中にトリコモナスがいるということで婦人科を紹介されて来院された患者さんもいらっしゃいました。
トリコモナス腟炎症の検査方法・潜伏期間
上記の通り、トリコモナスは無症状のことも少なくありません。症状が出始める場合、潜伏期間は5~14日程度です。培養によって検査し、診断します。男性の服薬も必須! トリコモナス腟炎の治療・予防法
男女ともに、トリコモナスに有効な治療薬を10日間飲みます。女性の場合、妊娠中などで飲み薬が使えない場合は腟剤を用いて治療したり、難治性の場合は飲み薬と腟剤を一緒に使ったりすることもあります。同時期にパートナーの治療も必ず必要で、どちらか片方だけの治療ではピンポン感染を繰り返して難治性になってしまう危険性があります。男性は症状が出にくく、検査でもトリコモナスを検出するのが難しいため、検査をしたら「トリコモナスに感染していない」と言われてしまうこともありえますが、女性側が明らかに感染している場合は男性側の治療も必要です。
コンドームを毎回はじめから正しく使うことが最も有効な予防法です。まれに、性行為以外での感染もあるため、プールや温泉などでは他の人が使った椅子などはよく洗ってから使うよう心がけましょう。
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