損害保険の支払いデータから、人身事故、物損事故の損失額の実態が公表されました。損失額3兆2069億円を国民1人あたりに換算すると年間約2万5000円となります。

亡くなった人より後遺障害の方の損失が大きい

エアバッグなどの安全装置、救命医療の発達で死亡事故は減少。しかし後遺障害を残す被害者は増加傾向にあります。

エアバッグなどの安全装置、救命医療の発達で死亡事故は減少。しかし後遺障害を残す被害者は増加傾向にあります。

09年度の交通事故による経済的損失3兆2069億円のうち、人身損失額は1兆4961億円。損失全体の46.7%を占めています。その内訳は以下の通りです。

【傷害】
●損失額:7084億円
●被害者数:121万5064人
●被害者全体からの割合:94.4%

【後遺障害】
●損失額:6150億円
●被害者数:6万6850人
●被害者全体からの割合:5.2%

【死亡】
●損失額:1727億円
●被害者数:5607人
●被害者全体からの割合:0.4%

死亡者は年々減少の傾向にあります。それにともない、損失額も減少しています。2005年頃と比較すると…

【2005年度・死亡】
●損失額:2430億円 > 1727億円(2009年度)
●死亡者数:7420人 > 5607人(2009年度)

ところがそれと反比例するように後遺障害が残る人が増えています。

【2005年度・後遺障害】
●損失額:5753億円 <  6150億円(2009年度)
●後遺障害者数:5万8279人 <  6万6850人(2009年度)

損保協会では後遺障害への軽減対策が必要であると提言しています。

高齢者が被害者にも加害者にもなっている

加害者の年齢別の免許保有者1万人あたりの経済的損失額指数は以下の通りです。
(日本損害保険協会 自動車保険にみる交通事故の実態 2009年4月~10年3月 より)

(日本損害保険協会 自動車保険にみる交通事故の実態 2009年4月~10年3月 より)

2005年と比べ約10%もの伸びを見せているのが70歳以上の高齢者です。

また、加害者だけでなく被害者も高齢化の傾向にあります。歩行中に事故に遭うケースでは、65歳以上の歩行者が43%も占めています。損保協会では運転免許を保有しない高齢者は自動車の動きが予測しづらく事故に遭う危険性が増加していると指摘しています。

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