身近になってきた輸入車
このところ「日本車が面白くない」という声をよく聞くようになってきた。なるほど最近の日本車を見ると「ワクワク感」みたいなものが無くなりつつある。かといって輸入車で同じ車格を見たら価格2倍というイメージ。しかし。ここにきてフォルクスワーゲンは積極的な価格戦略を打ち出しており、売れ行きも好調。果たして本当に魅力的だろうか? 以下、ほぼ同じ車格のミニバンであるトヨタ「エスティマ」とフォルクスワーゲン「シャラン」を比べてみたい。まずシャラン。このクルマの特徴は燃費。本来なら2.5リッター級のエンジンを搭載するようなボディサイズにも関わらず、1.4リッターしかないTSIエンジンを積む。
低回転域はアクセル踏んでからパワー出るまでのタイムラグがないスーパーチャージャーを使って過給。一定の回転数になるとターボで過給するというもの。1500~4000回転という幅広い回転域で2.5リッター級エンジンと同じトルクを出す。こう書くと高性能エンジンだと思うかもしれない。
TSIエンジンの面白さは「実質的な排気量」がアクセル開度によって変わること。パワーを必要としない巡航状態であれば過給を全く行わず、1.4リッターの燃費で済む。アクセルを深く踏み込めば2.4リッター分のガソリンを消費するも、日本の交通モードだと常時2リッター分以下だという。
さらにアイドリングストップ機能まで付く。結果、驚くほど燃費が良い。ガイドのテストだと都内で10~12km/L程度。流れの良い道なら12~14km/Lといったイメージ。エスティマのハイブリッドと同じくらいのエコ度なのだ(街中の燃費はレギュラーガソリンでも変わらない)。