高齢者や幼児は特に熱中症対策を
【グラフ】日最高WBGT温度と熱中症患者発生率の関係(出典:環境省HP)
昨年の夏の猛暑では熱中症で救急搬送された人が増加しました。地球温暖化の影響もあり日本が亜熱帯化したとも言われ、今年の夏も十分注意が必要です。特に暑さを感じにくい高齢者や体の小さい幼児は要注意です。
建物の断熱・遮熱で熱中症予防
人は一日のうち80%~90%は壁・床・天井などに囲まれた建物の中で過ごしています。建物、特に住まいに断熱・遮熱対策をとっておくことは熱中症予防に大きな効果があります。断熱対策:緑化する
マンションのベランダに設けられたグリーンカーテン。窓の外側で太陽光をシャットアウトすると効果が大きい。
屋上緑化、壁面緑化によって建物の断熱性を高めれば、暑い日の室内環境も良好になり、空調機を使う頻度も減って省エネにもなります。屋上緑化、壁面緑化はマンションでも戸建住宅でも取り入れられる方法です。
また、窓面においても、窓の外側にゴーヤやへちまなどのつる性の植物をはわせると、室内にカーテンを引くより効果があります。窓ガラスの内側に設けたカーテンは真夏に40℃近くになり室内の放射熱源となってしまうのに対し、窓の外側の植栽は、日射を受けると蒸散作用が盛んになり、葉っぱそのものが熱くなって熱源になることはありません。窓面の緑化は気軽に行え、お勧めです。
遮熱効果:遮熱性塗料の利用
遮熱塗料を塗った屋根。カラーによっても遮熱効果が異なる。こちらの黒は日射反射率28.4%。
例えば戸建・マンションとも屋根と外壁のメンテナンス周期が約10~15年ごとに訪れますが、その時に普通の塗料ではなく遮熱性の機能がある塗料をを検討してみてはいかがでしょうか。一般的な塗料より材料費はやや割高になりますが手間暇はあまり変わりません。メンテナンスを行うとともに遮熱性があがり、一石二鳥です。
次のページでは遮熱と断熱の違い、夏を涼しく過ごすコツをお伝えします。