助成金・補助金/人材採用に関する助成金

女性などの正社員化を後押しする助成金(3ページ目)

女性をはじめとする非正規労働者を正社員化するための助成金です。雇用が不安定、収入が低いといった問題が指摘されている非正規労働者を、正社員に転換する制度の普及が目的です。正社員転換制度を設けることで非正規労働者のやる気を引き出す効果も期待されます。

本田 和盛

執筆者:本田 和盛

企業の人材採用ガイド


支給対象となる事業主

次のすべての条件に該当することが必要です。ポイントは、非正規を正社員に転換させた日の前後6ヶ月間に、他の労働者を解雇していた場合は支給対象にならないという点です。
  • 労働保険の適用事業であること
  • 正社員への転換日の前日から起算して6ヶ月前の日から1年を経過した日までの間に、雇用する労働者(雇用保険の被保険者に限る)を解雇していないこと
  • 対象労働者の転換日および支給申請日において、対象労働者のほかにも正社員を雇用していること
※中小企業の範囲
  1. 小売業(飲食店)の場合、常時使用する労働者が50人以下、または資本金5,000万円以下
  2. サービス業の場合、常時使用する労働者が100人以下、または資本金5,000万円以下
  3. 卸売業の場合、常時使用する労働者が100人以下、または資本金1億円以下
  4. その他の業種の場合、常時使用する労働者が100人以下、または資本金3億円以下

本助成金の対象となる非正規労働者

次のすべてに該当することが必要です。

  • 正社員転換前に6ヶ月以上、パートタイム労働者、有期契約労働者として当該事業所に雇用されていたこと
  •  正社員転換日の前日から過去3年間、正社員または短時間正社員として当該事業所に雇用されていなかったこと
  •  正社員として雇用することを前提として雇用された労働者ではないこと
ようするに、本助成金を受給するために正社員からいったんパートなどの非正規労働者に切り替えたり、最初から正社員として採用するつもりなのに、助成金目的で非正規労働者として雇い入れるような姑息なことはしてはいけませんということです。

本助成金を受給する場合の留意点

  • 正社員転換制度を労働協約・就業規則等に定める必要があります
  • 正社員転換制度が適用されるための合理的な条件が明示されており、面接試験や筆記試験、人事評価による選考や推薦など公平な選考過程が設けられていることが必要です
  • 支給対象期間は最初に制度を導入してから2年以内となります。2年の期限は要件を満たした日で判断されます。例えば、制度導入から1年10ヶ月後に正社員転換した対象者が現れた場合、支給申請を行うことができるのは6ヶ月後で2年を超えますが、要件を満たしたのが2年以内なので、受給することができます
  • 制度導入日とは、労働協約はその締結日、就業規則の場合は事業所を管轄する労働基準監督署に届け出た日のことです。

本助成金の申請先

各都道府県労働局雇用均等室に申請することになっています。申請方法などは厚生労働省から詳しい「手引き」が用意されています。そちらを参照してください。
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