相場に一喜一憂していてはダメ
長期投資で守るべき大事な約束とは…
貫くべき方針とは、30年間にわたりたゆまずあせらず、コツコツと毎月3万円ずつの投資を実行するということです。そして、自分が決めた資産配分(3万円の購入内訳)を最低でも一年間は変えないことです。資産配分の見直しは年に一回もやれば十分なのです。
マーケットの変化は人の心にさまざまな影響を与えます。たとえば、相場が急騰するときには、人を慢心に導き早くたくさんもうけたいという欲望をかきたてさせ、予定外の追加投資や怪しげなハイリスク商品の購入に走らせたりします。また逆に、暴落したときには、人を絶望に導き極端な悲観から投資の中断やパニック売りという結末をまねきます。
人はマーケットに対して感情的であるばかりか、誤った固定観念を持っています。たとえば、株安は投資家にとって悪いニュースである、という先入観です。これは短期的な投資家にのみ当てはまることで、長期投資家にとってはむしろ正反対の良いニュースです。前章でご案内したとおり時間分散するつみたて投資では、株価が下がり続ける局面でも買い続けることで立派な収益を築くことができます(最後の数年に株高が訪れることが必要条件ですが)。
下落相場でも分散投資はもうかる。
約束ゴトを続ければ大きな効果が
右のグラフは、スタートの1万円から7年後の2,000円まで下がり続けても、10年後には資産は1.39倍に増えている例です。約束ゴトを守ることで、どんな投資環境においても損失を避けることが可能なのです。自分の投資期間の中で、現在位値を冷静に知り、なすべき我慢をしてマーケットに身を任せることが賢者の策です。むずかしいことを考えずに、投資していることを忘れてしまうくらいの余裕が持てれば、それが最上等のマインドです。その分、自分の人生の重要事項に取り組んで上質の時間を過ごして欲しいものです。
最後に20世紀大投資家の名言をご紹介します。
「相場は絶望の中で生まれ、懐疑とともに育ち、楽観により熟し、陶酔のうちに終わる」
By フランクリン・テンプルトン
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