仕事と両立できる資産運用術/長期国際分散投資はこうやってやる!

国際分散投資ステップ5:時間分散して投資する

どの地域の投信をどのくらいの配分で買うかが決まったら、あとはいつ買うかです。購入のタイミングにはつみたてと一括の2種類があります。双方のメリットとデメリットを知っておいて、自分に向いている方法を選び続けましょう。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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資金の投入タイミングには二つの方法があります。それを冒頭の35歳世帯主の例でご説明します。手持ち資金を50万円持っている35歳の世帯主が老後のために毎月3万円をつみたてながら30年後に5,000万円の自主年金を作るという想定で始めましたが、この場合でいえば最初の50万円が一括購入、そして毎月3万円ずつの部分がつみたて購入です。

一括購入のメリットとデメリット

時間分散は非常に大事

時間分散は非常に大事

一括とつみたてにはそれぞれメリットとデメリットがありますので、うまく組み合わせて使い分けていきましょう。まず一括購入のメリットは一回の購入で済みますから簡単です。配分も臨機応変に決められます。投資を始めてから数年経過後に一括購入するときはポートフォリオのリバランスも同時にできます(リバランスは詳しく後述します)。デメリットは購入直後に暴落が起きたりすると損失の回復に長い時間がかかってしまうことです。

つみたて購入のメリットとデメリット

 つみたて購入のメリットは、株安の衝撃を和らげてくれることです。毎月に時間分散をして定額を買っていくので、単価が安くなればその分だけ数量をたくさん買い付けることとなり、相場が下がり続けたときでも比較的容易に収益を築くことができます。たとえば、下のような株価推移のときでも立派に資産を増やすこことができるのです。もちろん、株価が一辺倒の右肩上がりであれば収益機会を逃すこととなり、そのこと(機会損失)はつみたて購入のデメリットです。
グラフ

半値になっても儲かるつみたて投資


右のグラフは、株価が半分に下がっても元に戻るだけで資産は2.4倍になっているケースです。このように時間分散することで、どんな投資環境でも自主年金を作ることがだれにでも可能なのです。

自分にできるパターンで継続

 一括とつみたてには一長一短があり、相場環境によって結果が異なってくるので、優劣は断定できません。しかし、投資する人の心理面を考えれば、タイミングを図らずに毎月コツコツと投資を続ける方が快適と感じる人が多いようです。若い人で一括投入する資金がないときには、毎月のサラリーからの余剰資金をひねり出して投入するしかないわけですから、つみたて購入に頼らざるをえません。どちらかしかできなくても問題はまったくありません。大事なことは、できることを続けることです。

次のページは「若い人なら、複利を生かせば夢は大きく広がる」です。


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