ギャラリーには「衣」を展開
古びたビルならではの風合い。階段や洗面所のたたずまいに心惹かれます。
ギャラリースペースでは草木染めのマキマロの服やストールが柔らかな光をはらみ、スターネット工房とフットウェアブランド「TATAMI」の共同プロジェクトから生まれたナチュラル素材の靴「TATAMI NATURAL」などが並んでいます。
2階ストアに並ぶマキマロ。自然の恵みがもたらす繊細で力強い色。
そしてもう一室がカフェ
乳白色の扉を開け、カフェに足を踏み入れると、そこには懐かしさと新鮮さの交錯する美しい空気が湛えられていました。益子の匂いと、大阪の路地の音。里山の時間と町の時間が不思議に入り混じり、一瞬、自分がどこにいるのかわからなくなるような。体温を感じる木製の家具たちは、ほとんどが益子のスターネットからそのまま運ばれたものでした。大きなテーブルはかつて「山の食堂」でお客さまを迎えていたもの。もとは薬箪笥だったという存在感のある戸棚や椅子は、馬場さんの事務所で使われていたそうです。
歳月がこっくりした色調に磨いた柱時計や家具たち。
「益子には背後に山があり、吹き抜けていく空気や花々があり、野菜や果物も農家の人々からすぐ届けていただきました。手をのばせばいつも身近にあったものが、ここにはありません。でも、逆にそれを楽しもうと思っています」
町のスターネットがこの場所で新しく生みだしていく、目に見えるもの、あるいは目に見えないものの輝きを想像すると、大阪の人々が少しうらやましくもなるのです。
▼豆腐クリームのさつまいもケーキとコーヒーをいただきました。