ED(勃起不全、勃起障害)には、勃起に関わる血管や神経などに障害があることで起こるもの(器質性)と、心理的な理由によって生じるもの(心因性)とがあります。

このうち、心因性のEDは、ごく日常的にみられる心理的要因によって引き起こされるものと、心の奥底にひそむ心理的要因によるものとに大別されます。

不安な気持ちやストレスなどが高じた「心のかぜ」(うつ病)が心因性EDの原因となることもあります。近年増えてきた、うつ病とEDとの関係を探ってみましょう。

男性うつ病患者さんの半数がEDの恐れ?

心因性EDを引き起こす原因のひとつである「ごく日常的な心理的要因」には、過去の性交の失敗からくる不安、失恋や夫婦間のトラブル、仕事からくる不安やストレス、離婚などが挙げられます。

もうひとつの原因である「心の奥底にひそむ心理的要因」としては、怒り、憎しみ、ねたみ、愛憎葛藤、成長過程におけるさまざまな障害、幼児期の精神的外傷などが考えられます。

不安な気持ちやストレスは、人間の根源的な欲望のひとつである性欲を減退させることがあります。特に、うつ病では、男性患者さんの半数がEDにかかる(かかっている)ともいわれています。

このため、うつ病で受診する際、窓口で渡される問診票に、性欲やセックスに関する項目が設けられている場合もあります。それほど、EDと深い関係にあるということでしょう。

上司との人間関係で、心のかぜに

不眠、イライラ、意欲減退……。うつ病はこうして始まる

不眠、イライラ、意欲減退…。うつ病はこうして始まる

30代前半のAさんは、仕事の関係で朝早くに出社し、夜遅くまで残業する不規則な生活を続けていました。好きで選んだ職業なので、仕事そのものへの不満はありません。

しかし、どうしても合わない上司との人間関係が、いつの間にか、Aさんのストレスになっていました。次第に不眠が続くようになり、些細なことでイライラしたり、やる気がまったく失せたりするようになりました。

やがて、仕事に対する意欲もなくなり、他人と関わるのがいやになって、仕事を休み、部屋に閉じこもるようになってしまいました。典型的なうつ病です。パートナーの勧めで受診したクリニックで渡された問診票の記入結果からも「心がかぜを引いている」のは明らかでした。

うつ病治療とED治療は、時には両輪 

「心のかぜ」は気持ちの問題にとどまりません。問診票に性欲やセックスに関する項目が含まれていたことから、Aさんは、うつ病が性生活にまで影響を及ぼすことを知ります。

実は、Aさんには思い当たることがありました。年齢的には現役真っ只中の世代でありながら、パートナーとは一度もうまくいった試しがなかったのです。

性欲の低下とうつ病とを関係づける問診票に向き合うことで、Aさんは、自分が「病気」であることをはっきり認識したそうです。

うつ病の治療を始めて8週間ほど経つと、それまで、まったくやる気がなかったAさんに「またやってみようか」という気持ちが芽生え始めました。

しかし、快方の兆しが表れたのを機に試したパートナーとのセックスは、依然として変わらず…。「うつ病治療とED治療はクルマの両輪」と考えたAさんは、意を決してED治療薬を処方してもらいました。

自信を回復し、実感させる効果も 

勃起の回復には男性を勇気づけ、自信を実感させるはたらきが

勃起の回復には男性を勇気づけ、自信を実感させるはたらきが

うつ病の男性患者さんの半数がEDを合併しているといわれるだけに、Aさんに処方されたED治療薬は期待通りの成果をもたらしました。

「うまくいったおかげで、彼女との一体感が増したし、自信を深めることもできた。セックスに対する自信ばかりでなく、病気になる前の、自信があったころの自分に戻ったと思えるのが何より嬉しい」そうです。

多くの男性は、毎日の“朝勃ち”を通して「現役力」を確かめます。働き盛りの男性にとって、やむを得ず休んでいた勃起の回復は、仕事をはじめとして、さまざまな面での自信を実感させてくれるはずです。ED治療薬には、勃起という現象を通じて、男性を勇気づけるはたらきがあります。

EDの回復に伴って、同時に服用していた精神に関わる治療薬の量を4分の1以下に減らすことができた例もあります。「心のかぜ」を引いたと感じたら、股間にも注意が必要です。「かかったかな」と思ったら、専門医に相談してED治療薬を処方してもらうのもひとつの選択といえるでしょう。



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