「エットレ・ソットサスからラブレターを届いたんだよ!」
さて、会場では「ソットサスの生きた時代とデザイン」と題して展示会オープニングトークが開催された。イタリアデザイン界の巨匠:エットレ・ソットサスのパートナーとして彼に刺激を与え続けたバルバラ・ラディーテ・ソットサスと、60年代からミラノを拠点に、ジャーナリストとして2人を身近にみてきた佐藤和子によるソットサスの魅力をお聞きした。
「エットレ・ソットサスからラブレターを頂いたんだよ!」と倉俣さんがメンフィスに参加した経緯をおっしゃっていた。
最後に「エットレ・ソットサスの親交の深さと感性の襞(ひだ)を感じるエットレ・ソットサスの言葉をご紹介しよう
『エットレ・ソットサス随筆集SCRITTO DI NOTEより
ある晩、私たちは三宅一生さんのスタジオに行きました。夕暮れ時で、街には夕闇が迫り、明かりが灯り始めていました。冷たい風が吹き、社員は皆帰った後でした。一生さんは未だ仕事が残っていると言って、部屋から出て行きました。
(中略)
その間にすっかり日が暮れて、倉俣史朗さんが到着しました。私たちは倉俣さんと一緒に、彼が設計した寿司屋に行きました。店は黒ずくめで禅の要素が感じられ、赤い脂末(ヤニマツ)でできた艶やかなカウンターがありました。何時間もかけてあらゆる種類の寿司を食べたほか、かにみそなど、とても変わったものを食べました。当然お酒もずいぶん飲み、酔っぱらってディスコに行ったのですが、その後どうなったのかは分かりません。
覚えているのは、大勢の人々で混雑した午前3時の大通り見た光景です。何百万もの電球やネオンといったライトやタクシーのサインが、光り輝いて燃え上がる河のように見えたのです。そしてはるか頭上にあるセメント製の高架道路が、その河を脅かしているかのように見えました。(中略)
エットレ・ソットサス』
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■ 「倉俣史朗とエットレ・ソットサス」展
■会期 2011年2月 2日(水) ~2011年7月 17日(会期延長) 11:00~20:00(ご入館は19:30まで)休館日:火曜
■会場 21_21 DESIGN SIGHT (地図)
■ 入場料 ¥1000-(一般)¥800-→¥500(大学生)¥500-→無料(中・高生)
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