仕事と両立できる資産運用術/長期国際分散投資はこうやってやる!

国際分散投資ステップ4:銘柄を選択する(定量評価)

投資開始の最後のステップはファンドの選定です。ステップ3でどちらを選んだかで異なります。パッシブかアクティブかを未選択の人は、必ず前章に戻って自分の投資流儀を決定してから、ファンド選びに入ってください。ここで選んだファンドを保有期間中もウオッチする必要があることも忘れずに!

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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パッシブ派のファンド選び

ステップ3でパッシブを選んだ方には銘柄選択は容易です。まず毎月積み立て型投資をできる運用会社を探し、その中に自分が買おうとしている資産クラス(たとえば新興国株式とかアジア株式など意中の投資対象)のインデックスファンドがあるかを探し、最後にその中でも経費率の低いファンドを選び出します。証券会社のサイトで「人気ファンド」や「手数料の安いファンド」などで検索すれば、すぐに候補が見つかります。

アクティブ派のファンド選び

投資信託の銘柄選び、どうする?

投資信託の銘柄選び、どうする?

パッシブに比べてアクティブを選んだ人には、最後に銘柄選択という大仕事が待っています。ここをしっかり選ぶことでインデックスにも勝ち、数十万円もしかすると数百万円という超過収益を手にすることができるのですから手を抜けません。

アクティブファンドを選ぶときの原則は、まず新商品には手を出さないこと。新しい商品ほど証券会社が売りたいものですが、実際に運用歴がない、投資実績が作れていないという意味では避けることが賢明です。最低でも3年超の実績はチェックしたいですし、できれば5年超の優れた運用実績があるものなら、より安心して買えます。

さらに付け加えれば、投資信託の純資産額が棒グラフで表示されています。これが増えつづけている投資信託を探すことも良い商品を選ぶ簡便な方法です(純資産額の伸びは好運用、高人気、少解約を示唆しています)。

数字は嘘をつきませんから貴重な判断材料になります。上に述べた様に、運用年数の長さ、純資産額の伸びが大事です。次に収益率(パフォーマンス)も簡単に比べることができます。もちろん数字が大きいものを選びたいのですが、注意点があります。それはベンチマークとの比較の上で優劣を判断することです。

収益率はベンチマークと比較する

ベンチマークとはその投資信託が目標とするインデックスで、日本株に投資する投資信託なら日経平均225かTOPIXが選ばれているはずです。ベンチマークをどのくらい上回っているかという相対的収益に注目してください。

日本株のベンチマークがマイナス15%のときにマイナス13%のJ投資信託があれば、それは間違いなく良い投資信託です。またパフォーマンスを比較する相手は同じ株式市場に投資している同類の投資信託でなければ意味がありません。たとえば先のJ投資信託とプラス5%のパフォーマンスをあげているB投資信託(投資対象は先進国株)との間で優劣をつけても無意味です。

絶対収益に着目するとB投資信託に魅力を感じるかもしれませんが、もし先進国株のインデックス(B投資信託のベンチマーク)がプラス7%であったとしたら、B投資信託は間違いなく悪い投資信託です(ベンチマークを2%も下回っているという点で落第です)。

投資信託の評価機関を利用する

最後に、投資信託を評価する第三者評価機関があります。たとえばモーニングスター社リッパー社です。これらのサイトでは無料ですべての公募投資信託の評価と格付けを公開していますから、格好の比較データとなるはずです。ただし、第三者とはいっても絶対的に公平中立とは限りませんから、すべて鵜呑みにするのも禁物です。あくまでも参考意見に留めてください。

買って終わりじゃない

良いファンドを選んだらそれで終わりではありません。始めるときには優秀だったファンドでも時間の経過や相場の潮目の転換でダメなファンドに凋落することもあります。選んだときと同じ要領で保有期間中も監視を続けることが必要です。その意味ではすべてを自分で行うのは大変。より上質のファンド選定や保有期間中の監視をファイナンシャルプランナーなどの専門家に依存することも賢明な戦略の一つかもしれません。

数字に表れる部分を調べる定量評価は公表されているデータで素人にもできますが、数字に表れない部分(ファンドマネージャーの経歴や運用会社の社内体制など)を知るためには、専門家の定性評価に頼るしか手がないのも実情です。数字以外のどんなところが評価のポイントなのか、詳しくは第10章でご説明します。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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