投資信託/ファンドの種類を紹介

投資で被災地を応援! 復興支援型ファンド

被災地への支援のカタチは様々ですが、「出資をつうじて応援しよう」という動きも静かに広がりをみせています。小口から参加でき、支援を実感しやすいと注目されている"復興支援型ファンド"についてご紹介します。

執筆者:村岡 里香

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未曾有の大震災から2カ月。問題はまだまだ山積みの状態ですが、被災地は少しずつ復興へと動き出しています。その支援のために全国で寄付やボランティアなどの活動が広がる中、"投資を通じての支援"の輪も広がりつつあります。

一例が、大手証券グループやファンド運営会社などによって相次いで立ち上げられている復興支援型のファンド。投資家だけでなく、これまで投資に馴染みがなかった人からも注目されています。

復興支援型ファンドとは

復興への道は長く険しいけれど、応援したい人たちが集まれば大きな力になる

復興への道は長く険しいけれど、応援したい人たちが集まれば大きな力になる!

現在立ち上げられている復興支援型ファンドとは、多くの人から募った資金を被災地復興に役立つと期待できる投資先に投じ、運用収益を出資者の持ち分に応じて分配するというもの。目的のメインは損得よりも被災地への援助なので、出資に加えて寄付を行うものが多くなっています。

復興までの中長期の資金供給を目指し、どこに資金を使うのかも明白。個人が多額の資金を援助するのは困難ですが、ファンドであれば”共同支援”なので「1口1万円」といった小口の資金からだれでも参加することができます。

もちろん、元本の保証はないので損失が出る可能性もあります。復興のために自分のお金に働いてもらい、その結果によって再建の苦労も喜びも実感できるしくみといえるでしょう。


注目の復興支援型ファンドを紹介

現在(平成23年5月7日時点)募集を開始している復興支援型のファンドは、被災した会社に直接出資するもの、被災地域の自治体や企業が発行する債券等に投資するもの、国内に範囲を拡げて経済のけん引役の企業に投資するものなどタイプは様々です。以下にご紹介しましょう。


「セキュリテ被災地応援ファンド」
ファンド運営会社ミュージックセキュリティーズが募集を開始。投資先は被災した6つの事業者で、WEB上で各社からのメッセージも配信されています。最低申込金額は 一社につき10,500円。その内訳は出資金5,000円、応援金(寄付)5,000円、出資金取扱手数料500円となっています。投資期間は5~9年程度で、当初一定期間は無分配ですが、その後は売上に応じて分配。出資者には「復興後に初めて出荷される製品が送られる」などの特典も用意されています。


「東日本震災復興支援債券ファンド1105」
野村アセットマネジメントが運用。被災地の自治体や企業が発行する債券、国債に投資します。運用期間は5年、販売手数料は無料です。野村グループに支払われる信託報酬の半分(ファンドの日々の純資産総額の0.2%相当分)が復興支援のために寄付されます。野村証券で購入でき、申込期間が平成23年4月25日~5月16日と短いのでご注意ください。


「ダイワ・ニッポン応援ファンドVol.3-フェニックスジャパン」
4つの投資テーマごとに強みをもつ国内企業に投資。信託報酬のうち、販売窓口の大和証券が受け取る手数料のうちの半額(ファンドの日々の純資産総額の0.36%相当分)が被災地支援のために寄付されます。1,000円から購入できるのも特徴。運用期間は約5年で、当初申込期間は平成23年5月2日~25日です(5月26日の設定以降も募集継続)。


「ふるさと紀行2020(日本公共債ファンド2020)」
こちらは既存のファンドですが、2013年3月まで、運用会社の日興アセットマネジメントが受け取る信託報酬の全額が寄付されることになっています。ファンドは国内の地方債等に投資を行ない、安定的な収益の確保をめざします。信託報酬は年率0.2625%、償還日は2020年7月6日です。※日興アセットマネジメントでは、この他、一部の国内株投信でも信託報酬の半額を寄付することを発表しています。

今後の拡がりに期待

今後も大手ネット証券4社が共同で復興支援ファンドをリリースする予定もあり、ファンドを通じた支援の輪がますます拡大していくかどうかが注目されます。また、独立系投信会社のコモンズ投信もこれらとは異なる独自のやり方で寄付をおこなっています。

ファンドというツールをとおして多くの支援者がつながり、いつか復興の喜びを共有できるといいですね。

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