長期優良住宅/長く暮らせる家

節電も大事だけれど光熱費がかからない家を建てよう(2ページ目)

夏場に向けて実施がささやかれている計画停電。停電に備えて節電することも大事ですが、我慢するのではなく、快適に暮らせて、光熱費があまりかからない家だといいですね。これから家を建てる人のために光熱費を抑える家について説明しましょう。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド


断熱材は施工精度がとても重要

断熱材には、グラスウールに代表される無機繊維系、セルロースファイバーに代表される木質繊維系、フェノールフォームや硬質ウレタンフォームに代表される発泡プラスチック系など、いろいろな種類があります。それぞれ特長があり、一概にどの断熱材がいいとは言い切れません。また、同じ断熱材であれば厚みによって性能が変わります。しかし、どんな断熱材も、正しくきちんと施工されなければ、本来の性能を発揮できません。よって、断熱材は何を使うかよりも、施工精度が重要なのです。

工事中

断熱材は家が完成すると見えなくなる部分なので、施工精度にこだわって取り組んでくれる会社に施工を依頼したいものです

とくに、断熱材はすき間なく施工してはじめて性能を発揮するものなので、一部分でも張り忘れていたり、いい加減に張ってあると台なしです。また、室内で発生する湿気が断熱材の中に入り込み、留まってしまうと、壁内結露につながり、住宅寿命を縮め兼ねません。そのため、シート状であってもボード状であっても、断熱材はどちらの側面を室内側に施工すべきなのかが決まっています。また、透湿シートを使用することもあります。

リフォームのために壁の一部を解体してみたら、断熱材が裏表に張ってあったとか、張り忘れていた部分があったという笑えない話もときどき聞きます。そういった基本的事項を間違えて施工してしまうことのないように、検討している会社には、断熱材の仕様や施工方法についてよく聞いておきましょう。また、工事途中にチェックできる仕組みがあると、より安心につながるでしょう。

究極の方法はエネルギーを自宅でつくること

ここまでは、エネルギーを節約するための住宅の仕様について説明してきましたが、究極の方法は、やはり自宅でエネルギーをつくり出すことでしょう。いわゆる「創エネ」と呼ばれるものですね。

「創エネ」の方法として、最初に挙げられるのは、やはり太陽光発電です。太陽は無限ともいえるエネルギー源ですし、太陽光発電はCO2も排出しません。使い切れなかった電力は電力会社が買い取ってくれます。発電できる時間や発電量は限られているので、エアコンや電子レンジを使用するだけの電気を自宅でつくり出すのは難しいかもしれませんが、テレビやラジオのほか、電気ポットや炊飯器の電気をまかなうことができるでしょう。

そして、停電時でも、自立運転への切り替えができるようになっていれば、電気を使うことができるそうです。太陽光発電を搭載する際は、ぜひ、事前に運転切り替えの有無や方法を確認しておきましょう。切り替えによって屋根で発電した電気を自宅で使うことができれば、多少なりとも不便が解消できますね。

ガスから取り出した水素と酸素を反応させて発電する家庭用の燃料電池はモーターの運転に電気を使用するので、停電時に使うのは難しいようですが、節電や省エネという点ではメリットがありますね。そのほか、太陽熱温水器も省エネという面では役立ちます。

使用するエネルギーを最小限ですむようにした省エネ住宅で、なおかつ、「創エネ」住宅にするというのが、今のところ考えられる最適な家づくりだと思うのですが、いかがでしょうか。
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