記憶メディアに液晶とボタンを
電池が切れて本体を起動したときにピーッと音がしたことも、今となってはいい思い出です。
そうすると、それまでは記憶メディアを再生機に挿してデータを読み取るという使い方だったものが逆転し、本体からダウンロードしたデータを記憶メディア側で再生する、という使い方ができるようになります。これってもしかすると、ある意味でiPodの発想に近かったかもしれません。とはいえ、ビジュアルメモリは普通のメモリーカードの延長でしかありませんでしたから、それ程大容量でもなければ、できるゲームも極めてささやかなものでした。
ビジュアルメモリを使った遊びはそれほどヒットしませんでしたが、その後、PlayStationがポケットステーションという、これもメモリに液晶とボタンが付いた周辺機器を発売し、こちらの方が、対応ソフトのどこでもいっしょと一緒に大ヒットすることになります。そんな皮肉な展開も、ドリームキャストらしいと言えば、ドリームキャストらしいエピソードです。
しゃべる魚に踊るリポーター
本体同時発売ソフトは、バーチャファイター3tbなどがありました。
その中でも、多くのドリームキャストユーザーの記憶に残っているのはやはり、ドリームキャスト本体発売直後に投入されたキラータイトル、ソニックアドベンチャーでしょうか。ゲームの未来基準というキャッチコピーを掲げた本作は、それまでのソニックシリーズと比較しても別物と言えるほどのスピード感と、圧倒的な3Dの空間表現で、ゲームユーザーをあっと言わせました。
オンラインサービスに、ビジュアルメモリ、さらには斬新なソフトと、次々新しい遊びを提案したドリームキャストは、一部のゲームユーザーから絶大な支持を得ます。しかしそれは、あくまでも一部のゲームユーザーからのものでしかありませんでした。