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10年経って、やっぱりドリキャスは凄かったと思う(2ページ目)

かつて、ドリームキャストというハードがありました。当時としては珍しい、インターネット接続機能を標準装備し、数々の名作を生んだセガの社運をかけたゲームハードです。あれから10年が経ちました。ドリームキャストの偉大なチャレンジについて、ちょっと思い出話をしたいと思います。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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記憶メディアに液晶とボタンを

ビジュアルメモリの図

電池が切れて本体を起動したときにピーッと音がしたことも、今となってはいい思い出です。

ドリームキャストと言えば、もう1つ忘れられないのがビジュアルメモリです。これは斬新でした。何しろ、ゲームのセーブデータなどを保存する為のメモリーカードに、液晶画面とボタンをつけてしまったんですから。

そうすると、それまでは記憶メディアを再生機に挿してデータを読み取るという使い方だったものが逆転し、本体からダウンロードしたデータを記憶メディア側で再生する、という使い方ができるようになります。これってもしかすると、ある意味でiPodの発想に近かったかもしれません。とはいえ、ビジュアルメモリは普通のメモリーカードの延長でしかありませんでしたから、それ程大容量でもなければ、できるゲームも極めてささやかなものでした。

ビジュアルメモリを使った遊びはそれほどヒットしませんでしたが、その後、PlayStationがポケットステーションという、これもメモリに液晶とボタンが付いた周辺機器を発売し、こちらの方が、対応ソフトのどこでもいっしょと一緒に大ヒットすることになります。そんな皮肉な展開も、ドリームキャストらしいと言えば、ドリームキャストらしいエピソードです。

しゃべる魚に踊るリポーター

バーチャファイターの図

本体同時発売ソフトは、バーチャファイター3tbなどがありました。

オンライン対応やビジュアルメモリだけじゃなく、ソフトの方も新しいゲームが続々と登場していました。マイクで話しかけると人面魚が悪態をついてくるという不思議な育成ゲーム、シーマン。テレビリポーターが、踊りで宇宙を救うスペースチャンネル5。平凡な大学生の人生を見守り、介入するアドベンチャーROOMMANIA#203。セガを運営してゲーム業界の制覇を狙うセガガガ。今聞いても、一癖も二癖もある面白そうなゲームがズラッと並びます。

その中でも、多くのドリームキャストユーザーの記憶に残っているのはやはり、ドリームキャスト本体発売直後に投入されたキラータイトル、ソニックアドベンチャーでしょうか。ゲームの未来基準というキャッチコピーを掲げた本作は、それまでのソニックシリーズと比較しても別物と言えるほどのスピード感と、圧倒的な3Dの空間表現で、ゲームユーザーをあっと言わせました。

オンラインサービスに、ビジュアルメモリ、さらには斬新なソフトと、次々新しい遊びを提案したドリームキャストは、一部のゲームユーザーから絶大な支持を得ます。しかしそれは、あくまでも一部のゲームユーザーからのものでしかありませんでした。
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