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ライトが残した「帝国ホテルの椅子」1922年

石川尚の【気になるデザイン】日本の傑作椅子 写真集シリーズ15  20世紀建築界の巨匠:フランク・ロイド・ライト。シカゴ時代からヨーロッパ、日本へ。自然風景と幾何学模様を楽しんだ巨匠がデザインした椅子は、彼の空間認識を凝縮している。

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

石川尚の「気になるデザイン」
『原点』こころのデザイン 日本の傑作椅子 写真集15

帝国ホテルの椅子

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(引用:別冊商店建築78『日本の木の椅子』,p20,商店建築社発行)帝国ホテルの椅子

「フランク・ロイド・ライト」と「帝国ホテル」、どちらも強く印象深い言葉である。

フランク・ロイド・ライトは、1867年アメリカ・ウィスコンシン州に牧師の家に生まれた。シカゴの建築事務所で建築の修行後1893年に独立。1910年までの17年間に計画案も含め200件近い建築の設計を行い、プレイリースタイル( Prairie Style:草原様式 )の作品で知名度を得た。
建物の高さを抑え、水平線を強調した佇まい、部屋同士を完全に区切ることなく、一つの空間として構成することがプレイリースタイルの特徴。

1913年、帝国ホテル新館設計のために初訪日。大幅な予算オーバーと経営陣との衝突から、ホテルの完成を見ることなく帰国。ホテルの建設は弟子の遠藤新の指揮のもと1923年に竣工。その後日本での設計は、豊島区にある自由学園明日館などがある。晩年の1959年には、あの美しい外観と展示動線に新しいスタイルを持ち込んだニューヨーク・グッゲンハイム美術館を完成させた。

「帝国ホテル」は、関東大震災から唯一無傷で残ったホテル。

当時としては外観も内装も調度品も構造もずば抜けて一級品。実際、1923年の「関東大震災」では、甚大な被害が発生したにもかかわらず唯一無傷のホテルであった。
ただこの帝国ホテルも1967年取り壊し、正面玄関部分のみが博物館明治村に移築されている。

彼が日本で最初に手がけた帝国ホテル、家具や照明、インテリアアクセサリー、食器にいたるまで総合的にデザインした。その宴会場の為にデザインしたのが今回の椅子、「帝国ホテルの椅子」である。




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