意外に抑えられている月々の返済額
国土交通省が行った「平成21年度 住宅市場動向調査」の結果によると、注文住宅を建てた人の資金計画は以下の通りです。・自己資金 1,746万円
・借り入れ 2,390万円
7割ほどの人が民間金融機関などから融資を受けて家を建てています。住宅ローンの年間支払額は平均130万円で、単純に12カ月で割って月々の返済額を算出すると、10万8300円ほどになります。
すでに家を建てた人は自己資金も多く、返済負担を抑えた資金計画を立てています
調査によると、平均居住人数は3.5人で、世帯主の平均年齢は39.8歳(30歳代が36.5%を占める)です。このデータから推測すると、子どもが1~2人いる家庭がほとんどで、まだしばらくは子どもの教育費がかかる年代だということがわかります。恐らく、こういった状況も考えに入れて、建築費用や住宅ローンの返済負担などを決めていったのでしょう。世帯年収(平均663万円)に占める返済負担率も22.0%と、無理なく返済できる範囲となっています。
新築=完成形でなくてもいい
家を建てることはとても楽しいことで、理想の新居を実現したいとたくさんのこだわりを盛り込みたくなるのも無理はありません。また、「素敵な家ね」とほめられたくて、最新機能搭載の設備や、見栄えのよい素材を選び、建築費用が膨らんでしまうこともあるでしょう。けれども、必ずしも新築したときに完成形である必要はないと考えてはどうでしょうか。欧米では、住み始めてからペンキを塗ったり、暖炉まわりの装飾を追加したりと、時間をかけて家を自分好みにつくり上げたり、グレードアップをはかるのが当たり前です。私たちもそれを見習って、建築後に造り付け収納やデッキを造作するなど、少しずつ手を加えていけばいいのです。子どもが小さい家庭なら、子ども室の内装は最低限とし、未完成の部分があってもよいと思います。
さらに、新築したときが一番美しいのではダメです。何層にもなったペンキの壁や、磨き込まれた木の床が美しいように、時間が風合いとなる家づくりをしましょう。欧米の家のような年月とともに美しさや価値が増していく家で、長く快適な生活をする、それこそが私たちが目指すべき、理想の暮らしだと思います。