大工の都合ではなく、施主の要望をまず考えて欲しい!
やはり自分のこだわりを反映させられるリフォームを選択すべきです。プロには納得できる説明を求めましょう。
Fさんの次の休みの日には業者がやってきて、リフォームの細かい内容について打ち合わせをし、また次のお休みの日には見積り書を持ってきてくれました。総額は630万円。叔父さんの提示金額よりも130万円も見積り金額は高いのですが、Fさんの希望するメーカーのシステムキッチンでプランニングしてあります。また、値段とアフターフォローについて聞いてみましたが、確かに他のメーカー品と比べて本体価格がやや高い感じがするものの、人気の高い設備である上、機器故障時のメーカー窓口も充実しており、メーカーを呼ぶほどでないようなトラブルであれば、その業者が対応してくれるとのことでした。
いよいよ叔父さんに対して不信感を抱いたFさんは、叔父さんに断りの電話を入れました。ところが工事依頼の電話と勘違いしている叔父さんは、「今ちょうど他の現場に入っちゃったから、早くて再来月だな。仕事の合間だから安くなるんだ。ちょっとは辛抱してくれ」。
Fさんはこれ幸いにと思い、とにかく希望のメーカーのシステムキッチンを使ってほしいこと、ローンを利用する関係で詳細な見積り書が必要なこと、リフォームを決めた以上は合間ではなくすぐに着工してもらいたいこと、などなどを叔父さんに説明し、嫌味こそ言われましたが無事お断りすることに成功しました。
業者によるリフォームが無事終わり、後日親戚から聞いた話では、叔父さんは他の親戚の家で実際にリフォームを手掛けていたようですが、工事していくうちに「こうした方がいい」と、当初の打ち合わせと全く違う内容にしてしまったり、当初言っていた金額よりも高い金額を請求して来たりというトラブルの多い人だったようです。改めて胸をなでおろしたFさんなのでした。
施主の希望、プロのアドバイスが融合してこそ成功する
今回のケースは非常に稀な話のように思うかもしれませんが、実際のリフォーム現場でよく聞く話です。施主の要望よりも、他社見積り金額よりも安く提示することで工事契約を急がせる業者は、一度契約した後にあれこれ理由をつけては工事金額を増額し、トラブルになることも少なくありません。また、特にFさんのケースは親戚の叔父さんという事情もありましたが、親戚でもないのに横柄な態度で「やってやるんだから、こっちの言う通りに工事させろ」という大工もいるのが現実です。リフォームを快適に、かつ納得できる金額で提供してもらうために、施主となる皆さんも業者の営業姿勢や、アドバイス内容などをしっかりと見極める努力をしていただきたいと思います。そうすることで、必然的に悪質な業者、粗悪な業者は自然と淘汰されていくことでしょう。