住まいのプロが提案「イエコト」/採れたて!最新トレンド&ニュース

地震で権利証を紛失してもマイホームの権利は失わない(2ページ目)

東日本大震災では地震よりも津波による被害のほうが深刻で、ご自宅を丸ごと流されてしまった被害者も少なくないでしょう。貴重品を持って逃げる余裕もなく、ご自宅の権利証を紛失してしまった方も多いことと察します。しかしご安心ください。不正登記を防止する仕組みがあるため、権利証を紛失しても悪用される心配はありません。

平賀 功一

執筆者:平賀 功一

賢いマンション暮らしガイド


東京電力からの仮払補償金は一般世帯100万円、単身世帯75万円 

イメージ写真

500億円は1万円札にすると一体何枚、必要になる?

福島第一原子力発電所の賠償問題に絡み、4月15日、東京電力から避難生活を送る住民らへの仮払い補償金の支払いについて、正式な発表がありました。その内容は、今回の原発事故により「避難」および「屋内退避」が指示された区域に避難している方々を対象に、2人以上世帯に100万円、単身世帯に75万円を支払う ―― というものです。これにより東電側の負担は総額500億円にのぼります。

<仮払い補償金の支払い対象となる区域>
  • 福島第一原子力発電所から半径20km圏内 (避難区域)
  • 福島第二原子力発電所から半径10km圏内 (避難区域)
  • 福島第一原子力発電所から半径20km以上30km圏内 (屋内退避区域)
※今後、「計画的避難区域」が設定された場合には、当該地域も対象になります。

<仮払い補償金として支払われる金額>
  • 一般世帯 : 100万円
  • 単身世帯 : 75万円
     
東京電力には原子力損害賠償法(1961年策定)に基づく原子力損害賠償制度により、「無過失」かつ「無限」の賠償責任が課されています。これにより、たとえ津波が直接の原因だったとしても、無過失責任を負わされている以上、東電側に弁解の余地はありません。今後は原子力損害賠償紛争審査会によって作成される被害補償の指針に基づき、実際の賠償額が詰められることになります。もはや一企業で負える範囲ではありません。国との二人三脚による誠意を持った対応が望まれます。

自宅が全壊すると、再築費用も含めて合計300万円が支給される

自然災害によって著しい被害を受け、自立した生活を再建することが困難な人々に対し、都道府県が拠出した被災者生活再建支援基金を活用して、被災者へ生活再建のための支援金が支払われます。この制度は、1998年に成立した被災者生活再建支援法に基づき、地震や津波などによって住宅が全壊するなど、生活基盤に著しい被害を受けた世帯の生活再建を支援するものです。激甚災害に指定された今回の大地震では、青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県・栃木県・新潟県・長野県・千葉県で当該制度が適用されます。

実際に支給される金額ですが、まずは「基礎支援金」として自宅が全壊、あるいは全壊ではなかったものの結果的に解体を余儀なくされた世帯には100万円。同じく、災害による危険な状態が継続し、自宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯にも100万円が支給されます。また、自宅が半壊し、大規模な修繕を行わなければ居住することが困難な世帯には50万円が支給されます。被害程度に応じた支給額が設定されています(表1)。

加えて、新たに自宅を取得する世帯には200万円、補修で対応可能な世帯には100万円、そして賃借(公営住宅以外)生活を始める世帯には50万円が「加算支援金」として追加支給されます(表2)。これらの金額は2人以上世帯に対する金額のため、単身世帯は上記金額の4分の3が支給されます。申請方法など詳しくは、お住まいの都道府県の担当窓口、あるいは(財)都道府県会館へお問い合わせください。

被災者へ支援される支給額

 

※「基礎支給金」と「加算支給金」の合計額が実際に支給される金額
※単身世帯には上記金額の4分の3が支給される。



  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます