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自宅の権利証を紛失してしまうと、マイホームの所有権はどうなるのか?

東日本を襲ったマグニチュード9.0の巨大地震から1カ月以上が経過し、応急仮設住宅の建設や公営住宅への入居受け付けが開始されるなど、被災者の生活再建への第一歩が目に見えて動き始めました。4月14日には東日本大震災の復興計画を策定するための諮問機関「復興構想会議」の初会合が開かれ、被災地主体の復興を基本に国が全体計画を作成し、明日の日本への希望となる青写真を描く——といった基本方針が示されました。

冒頭のあいさつで、菅総理は「ただ元に戻す復旧ではなく、創造的な復興案を示してほしい」との要請を口にしており、今後、環境共生や高齢者福祉などを考慮した震災復興ビジョンが描き出されることが期待されます。近いうちには東北発の次世代都市モデルが創造されることでしょう。

しかし、街づくりの全体像を示した答申がまとまるのは年内とのことで、被災者の方々が実際にその恩恵に預かれるのは相当、先の話になります。今なお、避難所には14万人(4月10日時点)を越える人々が避難しており、不安定な日々を過ごしています。応急仮設住宅の建設は難航しており、いまだ用地取得は苦戦を強いられています。必要な資材調達に関しては、工場でフル生産体制を敷き、輸入を拡大することで十分な供給が確保できるメドが付いたようですが、4月15日現在、必要な仮設住宅の戸数7万2290戸に対して、用地確保できたのは2万6000戸分と国交省は発表しています。目標の3分の1しか到達できていない計算です。迅速な対応が切望されます。

本コラムでは被災者の方々に対する応援の意味を込め、被災者に向けた有益情報をまとめてみました。今回の地震は観測史上最大の未曾有の自然災害だったこともあり、各方面から弾力的な対応策が出されています。ただ、知らなければ十分な活用はできません。「情報」は身を守るための最大の武器となります。知識武装し、生活再建のための一助にしてもらえることを願ってやみません。

地震や津波で権利証を紛失しても、マイホームの権利は失わない 

3月11日の大震災では多くの人命と建物が被害を受けましたが、その被害を拡大させた要因は、大きな揺れ(地震動)そのものよりも津波による影響が大きかったように思われます。沿岸地域全体が一気に津波にのみ込まれてしまったことで、家屋に家財とすべての財産が押し流されてしまいました。多くの避難者が「着の身着のまま逃げてきた」と言っているように、貴重品を持って逃げ出した人は少なかったに違いありません。大事なマイホームの権利証を気にかける余裕もなく、避難するのが精一杯だったものと想像します。

その結果、多くの人が自宅の権利証を紛失してしまったことでしょう。大切な書類をなくしてしまい、心配している人は少なくないはずです。権利証とは不動産登記法上の「登記済み証」のことで、登記が完了した際に登記所から買い主(登記権利者)に交付される書面です。登記済み証は登記申請の際に提出を求められ、登記手続き上は欠かせない重要な書類となります。

しかし、ご安心ください。たとえ紛失してしまっても、それだけでマイホームの権利(所有権)を失うことはありません。「登記をするには、権利証のほかに所有者の印鑑証明書等の本人確認資料も必要となります。権利証を紛失しただけで、直ちに所有権の移転の登記や抵当権の設定の登記が不正にされるなどして、登記記録上の権利関係が変わることはありません」と法務省からも発表がなされています。

自動車やオートバイの運転免許証を紛失したら、即、ライセンスを剥奪(はくだつ)されるかといえば、そのようなことはありません。マイホームの権利証も同様です。現行、紛失した権利証を再発行することは認められていませんが、不正登記を予防するための仕組みが用意されています。悪用されることはありません。ご心配な人は法務局で確認しておくと、より安心です。

被災地の法務局の連絡先

 


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