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【保存版】倉俣史朗とエットレ・ソットサス展(2/3)(2ページ目)

【石川尚のWAKUWAKUプレス・レポート】#56 世界のデザイン史に輝く日本のデザイナー:倉俣史朗。生前からの交友、共に永逝のイタリアデザイン界の巨匠:エットレ・ソットサス。「デザイン」をキーワードに開催の展覧会を紹介する全3編の第2編。クラマタデザインの「How High the Moon」が登場!内容とは? 取材協力:21_21 DESIGN SIGHT

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

「素材と陰影」が織りなす空間の美学、そして心象風景

脚の支柱といえば、そのものズバリ!が、その次にあるテーブル「Twilight Time」。
倉俣史朗とエットレ・ソットサス2-3

テーブル「Twilight Time」( 手前)、「45°North Latitude」   D:倉俣史朗(1985年)                    (● 画像をクリックすると拡大します)(c)NAO ISHIKAWA

エキスパンドメタルの脚支柱3本とガラスの天板(もうひとつのテーブルは、人造石の天板)のみのテーブル。
ここで、とくに注視してほしいのが天板とメタルのジョイント部分。
倉俣史朗とエットレ・ソットサス2-4

テーブル「Twilight Time」のディテール             (● 画像をクリックすると拡大します)(c)NAO ISHIKAWA

まるで王冠かティアラのようなメタルの端部がひとつひとつガラスに差し込まれ固定されている。通常は隠れて見えないテーブルの天板と脚の取付け部分がもっとも美しく、繊細。と、同時に職人さん泣かせのディテール(詳細部分)だ。
当時このテーブルの発表会場のひとつは、カッシーナジャパン(イタリア家具メーカー)のショールーム。あまりに華奢なので「大丈夫なの?」と触ると少し揺れて、「あっ!……」と、周囲を見渡した想いである。
倉俣史朗とエットレ・ソットサス2-5

テーブル「Twilight Time」のディテール             (● 画像をクリックすると拡大します)(c)NAO ISHIKAWA

そして感動ものが、陰影。床には「陰影」と「実物」が重なり、モノトーンの構成がまるで抽象絵画のように描かれている。

まだまだ一連のエキスパンドメタル家具が続く。
倉俣史朗とエットレ・ソットサス2-6

サイドテーブル付き椅子「Big Hal」(手前)D:倉俣史朗(1987年)、軽快な椅子「Sing Sing Sing」(奥)D:倉俣史朗(1985年)   (● 画像をクリックすると拡大します)(c)NAO ISHIKAWA

メタル、ガラス、木、そして陰。異なる「素材と陰影」が織りなす空間の瞬間に僕の視線が釘付けになる。
倉俣史朗とエットレ・ソットサス2-7

「Big Hal」のディテール            (● 画像をクリックすると拡大します)(c)NAO ISHIKAWA

大柄と細かい柄のエキスパンドメタルの背をもつ椅子がテーブルを挟んで配置されている。
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「エキスパンドメタル背の椅子」(手前)、テーブル「Hal」 D:倉俣史朗(1988年)、アームなし椅子「Hal2」(奥)D:倉俣史朗(1987年)                   (● 画像をクリックすると拡大します)(c)NAO ISHIKAWA

男女が語り合うお昼のひとときであろうか、倉俣さんの家具にはそんな「心象風景」が時折見えてくる。


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