大きなSUVでも“らしさ”はきっちり表現
国内にはハイブリッド(898万円)とV6(623万円)をラインナップする。サイズは全長4800×全幅1945×全高1740mm。旧型比で全長+45mm、全幅+15mm大きくなりつつも、車重は最大70kgも軽量化されている
ハイブリッドには軽量で比較的ライト(最大登坂能力31度)なトルセンディファレンシャル付きの4モーション、V6には本格的(最大登坂能力45度)な電子制御マルチプレートクラッチタイプの4Xモーションが採用される
フォルクスワーゲンマークのでっかいセダンは要らない、けれどもでっかいSUVなら欲しい。受け入れる側の、その感覚の違いを説明するのは難しいけれども、ハッチバックモデル主体のラインアップとの整合性やら、SUVカテゴリーそのものの新しさ(逆に言うと大型セダンの保守性)が、トゥアレグの存在に追い風となったように思う。
初代は間違いなく成功した。2代目の実質的な進化幅は相当にあって、そういう理詰めの煮詰めも実にフォルクスワーゲンらしい。一見、小さくなったように見えるのは、いわゆる“シルヴァ顔”(ワルター・デ・シルヴァがフォルクスワーゲンのデザイン責任者になって以降のマスクデザイン)になって顔つきにワイド感が増し、さらに背も若干低くなっているからだろう。もっと重要なことは、大型車の進化に必須の軽量化を体重約1割というレベルで達成していること。さらに、パワートレイン系での高効率化や、ハイブリッド車の投入などによって、モデルとしてのエコ性能も高めてきた。ハイブリッドモデルは、ブランドの枠を超えてプレミアムな存在である。
ハイブリッドは最高出力333ps/最大トルク440Nmを発生する3リッターV6TSIエンジンに、最大出力46psのモーターを組み合わせた。0-100km/h加速は6.5秒、10・15モード燃費は13.8km/lを達成する。また、モーターのみで最高速50km/h、最大2kmまで走行可能。V6には最高出力280ps/最大トルク360Nmの直噴3.6リッターFSIエンジンを搭載。こちらは従来型38%燃費を向上させ、10・15モード燃費は9.5km/l
ゆったり泰然と、心かまえることなく乗れる、非常に落ち着きのあるクルマだ。自分の生き方を、既にきちっと心に定めていて、もう決してぶれることなく、かといって社会性を失わずに生きていけるような、そんな人のための大型SUVである。