格差が最大2.30倍。衆議院選挙は「違憲状態」

一票の格差問題は何十年も議論を繰り返されてきた。

一票の格差問題は何十年も議論が繰り返されてきた

選挙区人口と議席数の割合が選挙区によって違い、その結果として一票ごとの重みに違いが出てくる「一票の格差」問題は、何十年も前から議論され、必要な場合は修正されてきました。

最近行われた2009年総選挙と、2010年の参議院選挙でも、一票の格差問題が生じている状況は違憲であるとする有権者が現れ、選挙の無効化を求める訴訟が全国で起こされています。

まずは衆議院から。2009年総選挙は一票の格差が最大で2.30倍あり、違憲であるとして、選挙後に2つの弁護士グループが全国で9件の訴訟を起こしました。これらの訴訟は全国の高裁で起こされ、2009年冬から2010年春にかけて次々と判決が出ています。結果は、「合憲」と判断した裁判所が2件、「違憲状態」が3件、「違憲」が4件でした。

その後、裁判は最高裁に上告され、今年2011年3月23日には最高裁でも判決が出ています。その判決では、2009年の総選挙は「違憲状態」であると判断されました。ただし、選挙自体の無効化の訴えは認められていません。

「違憲」と「違憲状態」の違いは?

高裁の判決に、「違憲」と「違憲状態」というよく似た2つの言葉が出てきています。この2つは何が違うのでしょうか?

「違憲」とは、文字通りの違憲、つまり憲法に違反する状態を指します。「違憲」判決とは、現在すでに憲法に違反しているという判決を意味します。一方、「違憲状態」とは、「現在は違憲ではないが、このまま放置しておくと将来的に違憲になる」と思われる状態を指します。「違憲」ではありませんが、「違憲」に限りなく近い状態です。

曖昧ですが、「違憲状態」は一応まだ「違憲」ではない状態にあると言うことができます。

参議院でも一票の格差問題が問題に

一票の格差問題は衆議院だけではなく、参議院でも存在しています。参議院は2010年直近の選挙が行われ、その後、当時の一票の格差を「違憲である」とし、全国各地で衆議院選挙と同様の訴訟が起こされました。

訴訟は全部で17件起こされ、2011年4月現在ではすべて判決が出ています。それらの判決によると、「合憲」が2件、「違憲状態」が12件、「違憲」が3件でした。

ここまで出た判決はすべて高裁によるもので、この後は衆議院訴訟同様に、最高裁への上告が予想されます。