東日本大震災でも始まった被災地支援
それはハウスメーカーにとっても同様。現地営業拠点の社員やその家族が被災し、一部に安否の確認が取れていないというケースもあったり、被災地周辺で操業中止状況にある生産工場を持つハウスメーカーもあります。大災害への対応にはマンパワーが不可欠。写真は、大和ハウス工業の大阪本社に備蓄されていた救援物資を、被災地に送り出すため作業している様子(大和ハウス提供)
特筆すべきはその際のこと。水や食料などの提供が一部で行われるほか、程度にもよりますが、例えば地震でモノが散乱した居室内や建物周辺の片づけなどを手伝ってくれるケースもあるようです。こうした支援は災害時にどこから手をつけて良いのかわからないユーザーにとって、とても心強く感じるそうです。
阪神淡路大震災当時、各ハウスメーカーは全国各地から相当数の人員を集め、被災地の支援にあたりました。あるハウスメーカーに問い合わせたところ、「今回は阪神淡路以上の規模の支援体制とする」そうです。全国規模のハウスメーカーの場合、支援のための人や物資、機材を全国から集められるのが、「ならでは」な部分です。
見えてくる? ハウスメーカー住宅の「価値」
さて、ここからはこうした災害時の支援体制を踏まえ、私たちが住まいづくりを行う上でどう参考にすべきか、ということに話を移します。ハウスメーカーで住まいづくりを行う価値の一つに、このような災害時の支援体制があるということがあると思います。災害で損傷した住宅を補修するには人的支援が必要になるが、被災地では工務店関係者や職人さんが被災者である場合も…(写真はイメージ)
特に、住宅が何らかの損傷を受け、補修が必要となった場合は。ケースバイケースですが、場合によっては簡単な補修ならしてくれることも過去にはありました。被災エリアは混乱していますから、そのための人の確保だってバカになりません。ある程度の規模のハウスメーカーなら、その点で安心感があります。
というのも被災地では工務店やビルダー自体が被災しているケースがあり、ユーザー支援どころではないというケースも。今回の震災では「(3月15日の時点で)現地の契約会社と未だに連絡が取れていない」という、フランチャイズ系ハウスメーカーもありました。
「ハウスメーカーの住宅は高い」と言われています。しかし、価格の高さはこのような大規模災害時のユーザー支援まで含んだものと考えればどうでしょうか。逆に言うと、ローコスト住宅を供給するハウスメーカーがどこまで対応できるのでしょうか。
災害対応のあり方にハウスメーカーの底力、誠実さが表れてきます。
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