災害に対応した収納スペースを備え付ける
庭におかれた雨水タンク。貯められた水は、通常時は草木の水やり用に使え、非常時にはトイレ用水などとして活用できる
そこに携帯コンロや防災用具なども収納されていればわかりやすいですね。大切なことは、日常生活が災害時の暮らしと直結していること。そうすれば、「保存食が期限切れ」、「懐中電灯や電池がない」なんてことがなくなります。
もう一つ、災害時に困ることにトイレなど生活用水の確保があります。エコキュートなどヒートポンプ給湯器を採用していれば、非常時の断水時はタンク内の水を取り出し、トイレ洗浄水などに活用できます。また、庭に雨水タンクを設けておくのも良いですね。
太陽光発電と蓄電池でエネルギーを確保
太陽光発電システムと家庭用蓄電池を組み合わせることで、停電時であっ近年、普及が進んでいる太陽光発電システム。環境への優しさや経済性に注目されるが、実は防災アイテムでもある
消費電力が少ないLED照明などを取り入れておくことで、夜間の停電時でも蓄電池の電力消費を最小限にしながら、継続した生活をすることができます。なお、蓄電池として電気自動車やハイブリッドカーを活用することも、最近の住宅づくりでは考えられています。
もうおわかりとは思いますが、要するに「防災住宅」の基本設備は、太陽光発電システム+オール電化+蓄電池となります。要するに、災害時のエネルギーとしてはガスより電気の方が有利なのです。
注目されるのが復旧のスピード。一般的に都市ガスの復旧には数ヶ月必要とされますが、電気は週単位でできるといわれています。ここまで「防災住宅」のアウトラインをご紹介してきました。次のページでは、東北関東大震災の特殊性を踏まえ、住宅と防災のあり方を考えたいと思います。