石の神様、仏様とは
お寺や神社めぐりをしていると、そこここで、石でできた神様の像や仏像に行き当たります。神様は、本来人の目に見ないものなので、正確には、神様のお使いである動物の像が多いです。ただし、七福神など、特定の神様や、民間信仰的な神様の像ならよく見かけます。石の仏様の像も、いろいろあります。
よく、路傍にある石仏をひとまとめにして「お地蔵さん」と呼ぶ人がいますが、それは大きな間違いです。
確かに地蔵菩薩の像が多いのは事実ですが、それ以外の種類の仏像もたくさんあります。たとえば観音様の種類も多いし、お不動さんもよく見かけます。
いずれにせよ、石の神様や仏様は、建物内にある像と違って写真を撮れるということもあって、寺や神社めぐりの楽しみのひとつとなります。
また、「○○石仏群」と呼ばれる、大量の石仏が並ぶ寺や地域もよくあるので、石仏ファンになった方は、訪ねてみるのも面白いです。
石の神仏の魅力
1. どこにでもあること有名な国宝などの仏像は、京都や奈良などに行かないと、なかなか見ることができません。
しかし、境内の片隅にある石仏なら、東京の中心部にもいくらでもあります。それどころか、江戸時代に庶民文化の中心地だったため、素晴らしい大傑作石仏も、あちこちで発見できます。
また、特に寺めぐりが目的でない単なる温泉旅行、ハイキング、登山などの途中で、意外な場所でよい石仏を発見することも多々あります。
2. 写真を撮れること
お堂の中にある仏像は、ほとんどの場合、撮影させていただけません。しかし、境内や路傍の石仏なら、写真を撮るのは、立ち入り禁止区域にあるものを除いて、たいていは、自由です。
しかし石仏の撮影は、意外に難しいものです。自分の資料として撮るだけなら簡単ですが、「作品」として満足できるものを撮るのは簡単ではないのです。石の表面はざらざらしていてピントが合わせにくい。戸外だと、光の具合に左右される、などがその理由です。
3.表情豊かであること
国宝の仏像などと違って、石の神仏を作るのは、多くが無名の石工です。そのため、従来の仏像作りのセオリーとは違った自由な発想で作られたものが多いです。そのため、珍しい形や表情のものが多く、探すのが楽しみになります。また、その日の天候や季節などで、まったく違った表情に見えるのも魅力です。これは写真を撮る楽しさにも繋がることです。お気に入りの石仏を見つけたら、一度だけでなく、何度も通ってカメラを通して対話してみましょう。
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