ふたりで学ぶマネー術/ふたりで学ぶマネー術

出産退職vs共働き継続、徹底シミュレーション(2ページ目)

出産を機に退職をするか、共働きを続けるか、悩まれるご夫婦が多いです。今回は、ある共働き夫婦の事例をもとに、出産退職と共働きを継続した場合の一生涯の家計の収支をシミュレーション比較してみました。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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斉藤さんご夫婦の将来の家計

斉藤さんご夫婦の思い描くライフプランをもとに、一生涯の家計収支を数値化し、グラフに表してみました。大まかな人生の収支のイメージを掴んでいただくためのものなので、あまり細かい金額は気にしないでください。

※FPソフトにより一生涯の家計収支のイメージを作成(クリックすると拡大)

※FPソフトにより一生涯の家計収支のイメージを作成(クリックすると拡大)


藍さんが出産退職をして、子育て期間中の家計収支は赤字が続きます。パートに出るようになってからは、遼さんの賃金の上昇もあり、黒字になりますが、教育費の負担が重くなる頃には再び赤字になります。遼さんの定年退職後(60歳)、年金を貰い始めるまでの期間(年金空白期間)は、大幅な赤字となります。

※FPソフトにより金融資産(貯蓄)残高のイメージを作成(クリックすると拡大)

※FPソフトにより金融資産(貯蓄)残高のイメージを作成(クリックすると拡大)

一生涯の家計収支から、金融資産(貯蓄)残高の推移をグラフに表してみました。藍さんが出産退職をしてパートに出るまでの期間は、赤字が続くのでたちまち貯蓄が底を尽き、家計が破たんしてしまうという結果になりました。この期間を乗り越えるためには、「家族の夢(家族旅行)を諦める」、「生活費を大幅に減らす」、「購入するマイホームの予算を引き下げて、自己資金を手元に残す」という対策を取らなければなりません。

これらの対策を取って、仮にこの時期をうまく乗り越えたとしても、再び家計破たんの危機がやってきます。それは、定年退職後の年金空白期間にやってきます。年金空白期間の危機を乗り越えるためには、定年退職までにしっかり貯金ができれば良いのですが、斉藤さんご夫妻の場合、そこまでの余裕はなさそうです。そう考えると、年金がもらえるようになるまでの間、働くという方法に頼らざるを得ません。

大幅な支出の見直しや就労期間を延ばすということで、なんとか人生を全うすることができそうですが、最初に思い描いたライフプランとは、かけ離れたものになってしまいそうです。それでは、他に方法はないものでしょうか?

>>藍さんが正社員で共働きを続けたらどうなる?

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