住みたい街 関西/子育て・環境重視の街選び[関西]

子供比率が高い街を歩く~大阪市鶴見区

前回は、大阪市内で「若くて元気な街はどこか?」を人口動態を基に調べました。結果、いちばん「若くて元気な街」とされたのは鶴見区でした。今回は、鶴見区の街をさらに町や丁目単位で分解。「子供の多い街並」をご紹介いたします。

田中 和彦

執筆者:田中 和彦

住みやすい街選び(関西)ガイド

前回の「人口動態から探る~若く元気な街はどこ?~大阪市内編」で紹介したように、子供の比率の高さ、家族人数ともに大阪24区でいちばんである鶴見区。区役所近辺を少し歩いてみただけで子供の多さが伺えました。今回はさらに突っ込み、町名レベルで鶴見区の「若さの秘訣」に迫ってみました。

3割以上が子供!~今津北2丁目

鶴見区、子供多いエリア、諸口

市営住宅が並ぶ諸口2丁目周辺

鶴見区、子供多い、今津北

工場跡等の土地に分譲マンションが建設され世帯が増える今津北界隈

平成17年度の国勢調査で、15歳未満の人口割合(以下「子供割合」とします)が大阪市内24区内でいちばん高かったのが鶴見区で16.7%。大阪市内平均が12.0%なので4%以上高い事になります。

ところが鶴見区内を町名、丁目レベルで比較すると、更に大きな街の特徴が見えました。以下、鶴見区内の町名/丁名のうち総世帯数がエリア内で100世帯を越える全56エリアを比較してみました。

なんと子供割合が20%を超えているエリアが11エリアもありました。最高は今津北3丁目の32.3%!およそ3人に一人は子供です。2番目は諸口2丁目で26.2%。こちらも、4人に一人が子供という若い街です。

同じ子供割合の高い街でも街の様子は異なります。今津北の街並は、町工場、倉庫、駐車場等が戸建てや共同住宅になった事により子供のいる世帯が増えた様子であるのに対し、諸口はもともと市営住宅が多く並ぶエリアです。

「10人に一人以上が乳幼児」「3人に一人が65歳以上」

鶴見区、子供多い街、鶴見6

住宅用地予備軍が多い鶴見6丁目

鶴見、赤ちゃんの多い街、緑2丁目

未利用/低利用地と高層マンションが渾然としている緑2丁目

15歳未満といえば、子供といえども中学生も含まれる年齢層。「もっと子供」が多い街は?というわけで4歳未満が多い街を調べてみました。

すると4歳未満の割合が10%というエリアが浜2丁目(12.3%)、徳庵1丁目(11.2%)、鶴見6丁目(10.7%)緑2丁目(10.6%)の4つもありました。

ところで子供割合の高いエリアは、世帯人数も多くなる傾向があります。56エリア中世帯人数が2.8人(鶴見区平均2.51人)を超えているエリアが5エリアありますが内4エリアは子供割合20%を超えるエリアです。まあ、当然といえばそうなんですけどね。

しかし鶴見区内といえども若い街ばかりではありません。大阪中央環状線(中環)/近畿自動車道を挟んでほぼ向かい合わせの位置にある茨田大宮3丁目と安田2丁目は、65歳以上の割合が各々31.1%、34.2%。これは鶴見区平均16.9%のおよそ倍の数値です。鶴見区内でも、東の端にあたる中環周辺はすこし街の様子が異なります。

住宅開発が人口動態を変える

大阪鶴見区、住宅がどんどんできる

住宅供給により人口地図が塗り替えられる事は非常に多い

鶴見区内でも子供が極端に多いところがあることがわかりましたが、はたしてそのエリアは「ずっと子供が多かった」場所なのでしょうか?

例えば子供割合の多い今津北3丁目は平成12年29.4%→平成17年32.3、諸口2丁目は平成12年28.4%→26.2%。数%程度の差しかありません。

多くのエリアはこれらのように数%の差しかないのですが大きな差があったのが徳庵1丁目。平成17年に11.2%もある4歳以下の割合が、平成12年度にはわずか5.6%。なぜ?答えは単純で、世帯数の増加に鍵があります。

徳庵1丁目は、平成12年には277世帯しかなかったのが、平成17年には501世帯。おそらくこの5年間に同エリアで開発された住宅に引っ越してきた世帯が子宝に恵まれた、といえそうです。

都市型コンパクト戸建てや集合住宅ができると、街が若くなる典型的な例といえます。

次のページでは、子供の多い街、そうでない街を写真を中心に見てまいります。

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