自己破産と他の借金整理の違い
安易な自己破産は、同じことを繰り返すという結果を生み出しかねません。
一方、任意整理や特定調停、個人再生という解決法は、法的整理方法か私的整理方法かという差はありますが、返済が伴います。この返済がきちんとできることを目指すので、家計状況がきちんと返済ができる状況にあるかコントロールするように意識します。つまり、
必然的に「これから「返済するお金をねん出しなくてはいけない」と考えるので、やりくりも必至となり、貯金体質になろうとする本気度が直接試されます。
しかし、返済を伴わない自己破産では、再生に対する本気度を試すチャンスがありません。
したがって、「返済しなくてよい」という甘えた心を持ったまま、再生する意思も固まらないままに借金がチャラになってしまうこともあるのです。
自己破産をはじめから選ぶとよいことがない
こういうことから、私は初めから自己破産を選んでしまうとよいことがないと考えます。「返済しなくてもよい」という意識のために、入ってきた収入をすべて使い切る生活に疑問を感じなくなくなり、気持ちの部分では何の変化もなく、何の成長もなく、自己破産するに至ったお金の使い方と同じようにお金を使い、ついには堕落してしまうこともあるのです。こういう意味で、自己破産をはじめから選ぶといいことがない、変化のチャンスを逃すと思ってしまうのです。
逆に、2度とこんな思いはしたくない、という強い意志を持ち自己破産に挑むのならよいと思います。家計の管理も「今まで返済に充てていた一部は、返済しているつもりで貯金しよう」などという行動が自然ととれるでしょう。つまり、気の持ちようが自己破産後の状況を左右するのです。