注文住宅/家づくりの流れ・基礎知識

違いを知らないと失敗する標準仕様とオプション

標準仕様やオプションという言葉を聞いたことはありますか? ハウスメーカーで家を建てる場合は、たいてい耳にする用語です。でも、両者の違いや内容を正確に理解していないと、家づくりの過程でとんでもないことになってしまうことがあるのです。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

ハウスメーカーでは注文住宅でも「商品」

注文住宅とは、本来、間取りや設備、内外装の仕様も、何も決まっていない状態から、施主となる私たちの希望をもとにつくりあげていく住宅のことです。しかし、ハウスメーカーでは、いろいろなコンセプトをもとに特長をもった「住宅」を提案しています。この「住宅」に名前をつけ、「商品」として発表しているのです。

工事中

注文住宅でもハウスメーカーは「商品」として発売しています

商品ですから、当然、価格があります。ただ、住宅の場合は延床面積や工法、規模、設備、内外装によって価格が変動します。ですから、目安となるプランを設定し、この価格が発表されています。そして、この目安となるプランについて、延床面積や規模などだけでなく、設備や内外装の中身も決めておくのです。

私たちはハウスメーカーが発表している数多くの「住宅商品」の中から、コンセプトに共感できて、自分の希望に近いものを選んで、家をつくりあげていくのです。

以上のことは、多くのハウスメーカーや「住宅商品」にあてはまりますが、一部のハウスメーカーの中には「住宅商品」とは別に、ゼロからつくり上げる注文住宅を用意しているところもあります。

標準仕様とは何か?

標準仕様とは、標準的な仕様ということで、ハウスメーカーの「住宅商品」の場合、だれもが必要となるものについては、たいてい内容が決められています。具体的には、窓や玄関ドアなどの建具から、水まわりの設備機器、床材や外装材など内外装の仕上げなどのグレードが決められています。

標準仕様の中身は、「住宅商品」によって違っています。坪単価の高い「住宅商品」には、高価なものが標準仕様に採用されていることもありますし、自然素材にこだ わった「住宅商品」なら、床に無垢のフローリングを標準仕様とするなど、その「住宅商品」ならではの内容になっているはずです。工法や断熱方法、2階建て・3階建てといった階層などがメーカーや商品の大きな特長になっている場合は、それらも標準仕様として組み込まれていることがあります。

オプションとは何か?

オプションとは、標準仕様とは別に用意されている仕様で、仕様の一部を変更またはグレードアップしたり、標準仕様では付いていない設備などを追加したい人のために用意されているものです。例えば、標準仕様ではビニールクロスの壁を珪藻土に変更したり、1坪のシステムバスを1.25坪にグレードアップしたり、キッチンに食器洗浄乾燥機を追加したりといった具合です。

次ページでは、標準仕様とオプションの内容を理解していないと、どうなるのかについて説明していきましょう。

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