エットレ・ソットサスのデザイン「カチナ」
ETTORE SOTTSASS DESIGN 'Kachinas'
ロビー奥の階段を下り地下一階へ。ここでは、ソットサス氏と倉俣さんの足跡を仕事写真と映像で紹介している。映像には、ソットサス氏の倉俣さん(SHIROと呼んでいる)を賞賛する優しい眼差しがその語り口と共に綴られている。
このコーナーを過ぎ、左奥に温かい空間が広がる。
ここは、エットレ・ソットサス氏の「カチナ」が展示されている。
『カチナは、ネイティブアメリカンが信仰する超自然的な存在。カチナドールはカチナを象ったものである。』(引用:展覧会ブック p88)
ソットサス氏が描いたスケッチをもとに2005年からフランス、マルセイユの手吹きガラス工房「シルヴァ」にて製作されたシリーズ。ユーモラスで愛嬌のあるガラスのオブジェのひとつ一つに作者の「未知なるものへの感謝と愛」を感じてならない。
この奥に静寂な空間がひろがる。
ここから倉俣さん、1980年から1991年、晩年の仕事空間だ。
一歩この空間に足を踏み込んだとたん、「乾いた静寂」が漂う。
倉俣さんが、ここにいる。没後20年の時を忘れる。