国民年金の第3号被保険者が大問題…らしいけど、なんだそれ?
国民年金の第3号被保険者、というものがあります。会社員か公務員の配偶者であって、扶養状態にある人(一般的には専業主婦がこれにあたる)は国民年金保険料を納めなくても国民年金に入っていたことになり、年金ももらえるというものです。しかし、保険料を払わなくていいのは3号被保険者の立場にある期間だけですから、「3号被保険者になったとき」「3号被保険者でなくなったとき」に手続きをする必要があります。具体的には、「夫が定年退職をしたが妻は60歳になっていない」「専業主婦ではなく年収130万円以上稼ぐようになった」「夫が会社員や公務員を辞めた(脱サラ等)」などが対象から外れるときです。このときは、自分で市役所等にでかけて、手続きが必要です(その後は国民年金保険料を納める)。
この手続きを忘れていた人は本来国民年金保険料を納めなければいけないわけですが、知らずに何年も過ぎると時効になりますし、年金額も減ってしまうことになります。そこで、今年から過去2年分は保険料を納めてもらえば、それ以前は3号被保険者とみなして年金を増やす対策を取ることとしました。
一見するといい話なのですが、まじめに保険料を払っていたりした人からすると「正直者が損する話」ということで批判もあるようです。某経済ジャーナリスト(女性)もテレビで怒っていました。
私はこの意見に反対です。今回の救済は仕方ないと思います。もともと3号被保険者制度は矛盾を抱えており、フォローがないともっと多くの日本人(特に女性)が損をすることになるからです。
ただし、フォローを終えたらできるだけ早く廃止(終了)すべきだと思います。特に若い女性が損をすると思われるからです。
ニュースだけさっと耳にすると「厚生労働省、けしからん」と思うかもしれませんが、少し、説明してみたいと思います。
(第3号被保険者制度は男女関係ない仕組みですが、以下、特に断りのない場合は主婦をベースに説明します。実態として女性が99%と大多数だからです)
→もともと第3号被保険者制度そのものが救済措置的性格である 次ページへ