住宅設計・間取り/住宅設計・間取りのポイント

窓のデザインと断熱・気密・換気の関係

高気密・高断熱が主流の日本の住宅。そんな日本の住宅でポイントになるのが空気の流れです。空気の流れを上手く計画していくことで、より快適な住まいにすることができるのです。そのためには「窓」を理解することからはじめましょう。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

ポイントは空気をどう動かす 

日本人は昔から「水」や「安全」などは無料で手に入るもの。ましてや「空気」にお金を出すという考えは到底ありませんでした。ところが近年は、水や安全などはお金を出して手にいれています。ならば住まいの空気(換気など)はどうでしょう?水や安全と比べても理解度は低くないでしょうか。住まいの空気をどう動かすのかが実は日本の家の直面する課題でもあるのです。


気密、断熱、換気、冷暖房設備の4つのバランスが重要 

日本の家は冬暖かくて夏涼しくなければならないのは当然です。しかしCO2削減や省エネルギーを考えていくと高気密・高断熱が基本となり、密閉型の住宅にならざるを得ないのです。その密閉型の住宅を快適にするためには、気密・断熱・換気・冷暖房設備の4つのバランスをどう保つかがとても大切です。もちろんこれらは設計及び設備計画に基づいて検討されなければならないのですが、むしろもっとも基本的な窓についてあらためて考えてみようと思います。なぜならこれら4つのバランスに最も影響力を果たすのが窓の開閉方法であるからです。


窓は開口部としての機能と、壁としての機能がある 

日本の家は冬の寒さ対策には気密でよいのですが、夏は逆です。
窓には、「開ける」「閉める」と相矛盾した機能があります。その相矛盾をどのように計画して間取りに活かしていくかが設計者の腕の見せどころでもあります。つまり窓には開口部としての機能と、壁としての機能があるのです。
開口部としての機能と壁としての機能

開口部としての機能と壁としての機能

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