設備が長持ちすれば10年で元を取れる!?
それでは早速、ある一定の条件を仮定して、イニシャルコストとランニングコストを試算してみましょう。【試算条件】
・いずれの設備も当初設置後の修理・メンテナンス費用は発生していないものとする。
・ガス給湯器の導入(交換)費用を250,000円とする。
・ガスコンロの導入(交換)費用を200,000円とする。
・エコキュートの導入(交換)費用を750,000円とする。
・IHクッキングヒーターの導入(交換)費用を250,000円とする。
・ガス給湯器、ガスコンロ使用時のプロパンガス使用料金を10,000円/月とする。
・エコキュート、IHクッキングヒーター使用時の電気使用料金を5,000円/月とする。
上記条件をグラフにしてみると以下の通りとなります。
【ガス設備とオール電化のコスト比較】上記試算条件では、10年以上設備を使い続けることがオール電化のメリットにつながります。
本来、光熱費が毎月一定であるということはまずありえませんし、使う人によってガス代も電気代も大きく変動すると思いますが、ここでは試算を単純にするために光熱費の価格差を月額5,000円にしてみました。すると、設備を導入してから使い続けること約9年超でガス設備とオール電化のトータルコストが逆転します。
オール電化にすることでもっと光熱費を削減できるようなご家庭や、オール電化リフォームをもっとリーズナブルにすることができれば、この約9年超という期間がもっと短くできるということになりますが、とりあえずの目安として、エコキュートやIHクッキングヒーターが約10年以上使えることが損益分岐点になると思います。
工事費用を抑えるのはもちろんだが、使い方も結構重要
上手に使えば光熱費をグッと下げることのできるエコキュートですが、仕組みや使い方を十分チェックしておきましょう。(画像提供:ダイキン工業株式会社)
また、現在都市ガスを利用している世帯では、比較的ガス代が安く設定されていることもあり、オール電化で必ずしもコストメリットが出るとは限らないのです。さらに今後は「エネファーム」といったガスで発電する設備も徐々に普及してくると思われ、絶対にオール電化がいいと断言できる訳ではないのです。
むしろ大切なことは、ガス設備、オール電化設備のメリットとデメリットをしっかり知って、我が家のライフスタイルにふさわしいアイテムを選ぶことと、「絶対にオール電化はお得になる!」と押し付けてくる業者を避けることです。「オール電化」をリフォームの目的にしてしまうのではなく、快適な暮らし、住環境を手に入れるための一つの手段としてじっくりと検討するようにしましょう。