株・株式投資

あの会社が儲かる理由(1)~宴会が会社を強くする~(2ページ目)

不景気に逆行して順調に伸びている会社ということで、以前記事で紹介した「オンデーズ」。相変わらず好調のようだ。なぜ好調を維持できるのか?そして、なぜ儲かるのか?社長の田中氏に直撃して、彼の頭の中を探ってみた。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

フリマアプリ・ネットオークションガイド

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お金は生きていくうえで必要なものである 

ガイド:ONとOFFは意識してない?

田中氏:ONとOFFという意識もないです。たとえば、全てを自給自足で済ませられれば仕事をしてお金を稼ぐ必要はないんでしょうけど、それ以外の環境にいる場合、お金は絶対に必要です。生きていくためには。そう考えれば仕事をして対価を得ないといけない。
でもどうせ仕事をするなら楽しい方がいいし、人に感謝された方がいいし、お金もたくさんもらえた方が嬉しい。「お金のため」と割り切ると、それ以外の時間である「OFF」が必要になるのかもしれないけど、「お金のため」だけに仕事しないで良い環境、つらい事もシンドイ事も全て含めて全て楽しめる状態に常にいられるようにしているので、あんまり「ONとOFF」みたいな感覚はないですね。

ガイド:ということは、義務や使命でもない?

田中氏:少なくとも、義務や使命という意識はないですし、働くことに対して何にも疑問は持っていません。当たり前のこととして受け止めたうえで、じゃその中で自分はどうやって楽しんで生きていくのかな?ということだと思います。
もちろん厳しいこともしなきゃいけないし、厳しい目にもあいますけど(笑)、でもそれがあるから成し遂げたときには、更に嬉しい。毎日遊んでいるのが楽しいか?というと、そうではないから、仕事をしたうえで、世の中が少し変化したとか、会社が少し良くなったとか、関わる人の生活が豊かになったとか、そういう変化とか達成があったときに楽しいと感じる。だから、仕事をしている中で、社員とご飯を食べているのも楽しいし、物を作っているのも楽しい。結果、お店がうまくいけば更に楽しい。
でも、儲からないと辛いから、同じ辛いのであれば、儲けるために辛いことをした方がいいと僕は思うんです。だって、その先に楽しいことが待っていそうでしょ?だから辛くても頑張れるんです。ただ、それだけですよ。

売上が落ちたときの発想 

オンデーズの店内。にぎわいを見せる。

オンデーズの店内。にぎわいを見せる。

ガイド:売上が落ちたりして儲からなくなると、みんなどうしようかってすごく悩みますよね?そういうとき、田中さんならどうします?

田中氏:どうやったら儲かるのかを一生懸命考えるし、行動するしかないと思いますね。それでダメでも、自分がベストを尽くして後悔しないようにすればいいのかなって。死ぬわけじゃないですからね。
すごく哲学的になりますけど、答えはないんじゃないのかなって思います。むしろ答えなんてない方が面白いのではないでしょうか。だって、もしわかってしまったら、つまらないでしょ?わからないことを手探りでやって、どう転んで行くかわらないからおもしろいんだと思うんですよ。

ガイド:どうなるのかな?って思いながらやるから面白い?

田中氏:悲壮感が漂ったからといって会社がよくなるわけではないし、逆に楽観視をしていればいいのかというとそれも違うから、まずは考えて行動する。だから、あくまで結果論なんだと思いますね。ダメならまたやればいい。失敗というのはお金がなくなることだから、だったらまた稼げばいいだけの話だと思うんですよね。

ガイド:そう考えてしまうところがすごいなって。いつも思いますね。

田中氏:だって求人誌を見たら仕事はいくらでもあるんですよ。仕事を選ばなければね。そこで食いつなぎながら、また考えればいいだけで。仕事を選んでしまうのはプライドとか、今との生活の変化、ギャップに耐えられるかどうかだと思います。幸い僕はそこに大きな価値観をあんまり持っていないみたいです。仮に事業を失敗させて会社を追われて無一文になった自分を想像してみても、そんなに大変そうにしてない自分がいる(笑)。
自分が社長でいることの価値観を過剰に考えない方がいいような気がしますね。そうじゃないと、仕事の目的がいつの日か「社長でいること」そのものが仕事になってしまうような気がする。でも本来はそうじゃないと思うんですよ。
だから、僕よりも社長としてふさわしい人がいればその人に譲るという気持ちでいた方が、気が楽です。逆に社長でいることにこだわってしまうとけっこうきついかなと。自分自身、がそういう時期がありましたからね。

ガイド:社長という地位にはそれほどこだわりがないイメージですね?

田中氏:こだわり云々ではなくて、そのくらい楽に考えていたほうがいいと思うんです。社長としての立場を重く考えても楽に考えても結果は同じだと思うから、だったら楽に考えていた方が僕自身も幸せだし、きっと社員も幸せになるような気がするんですよ。


お金が必要だから働くということや、社長として自分の地位を楽に考えることは、とてもシンプルで本質的な話であることは間違いない。しかしながら、これをしっかりと言葉にして話す人は少ない。それでも田中氏は自然体で話を進めるのだから、彼はどこか違う。

次の記事では田中氏が雇用についてどう考えているのか?そして経営とは何か?を聞く。
「あの会社が儲かる理由(2)~階段は1段ずるのぼる~」へ。
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