心臓・血管・血液の病気/大動脈の病気・大動脈瘤・大動脈解離

大動脈瘤・大動脈解離の原因・症状・診断

大動脈瘤や大動脈解離は命を奪う重い病気です。とくに大動脈解離は時間勝負で速やかな治療が命を救います。これらの病気の原因、メカニズム、症状から診断までを解説します。強烈な胸痛や背部痛があれば直ちに病院へ。危険であるのに症状がないタイプも多いため、平素の健康診断も大切です。

米田 正始

執筆者:米田 正始

心臓血管外科専門医 / 心臓病ガイド

命に関わる大動脈の病気

大動脈瘤

大動脈瘤のいろいろ。赤い矢印は血流を示します。この中には危険なものがかなりあります。どれがどんな時に危険となるのでしょうか。正解は本文をごらんください

大動脈の病気には大きく2種類あります。

■大動脈瘤(真性瘤)
ひとつは大動脈がこぶのように膨らむ大動脈瘤(とくに真性瘤とも呼ぶ)。この場合は大動脈の壁の三層構造つまり内膜・中膜・外膜の構造が保たれています。

■大動脈解離
もうひとつは大動脈の壁が内外に裂ける大動脈解離です。この場合、三層構造は壊れています。かつては解離性大動脈瘤と読んでいましたが、解離=瘤とは限らないため、現在は大動脈解離と呼びます。

どちらもいったん破れると命を落とす重大な病気ですが、この病気を少し知っておくだけでも安全性が高まりますので、この機会に学んでいただければと思います。

なおそれ以外にも「仮性瘤」というタイプがあります。これは大動脈が一部破れ、周囲の組織で一時踏みとどまったもの。つまりすでに破れた状態のため、そのままでは危険です。

それではさっそく、次ページで大動脈瘤について解説します。


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