命に関わる大動脈の病気
大動脈瘤のいろいろ。赤い矢印は血流を示します。この中には危険なものがかなりあります。どれがどんな時に危険となるのでしょうか。正解は本文をごらんください
■大動脈瘤(真性瘤)
ひとつは大動脈がこぶのように膨らむ大動脈瘤(とくに真性瘤とも呼ぶ)。この場合は大動脈の壁の三層構造つまり内膜・中膜・外膜の構造が保たれています。
■大動脈解離
もうひとつは大動脈の壁が内外に裂ける大動脈解離です。この場合、三層構造は壊れています。かつては解離性大動脈瘤と読んでいましたが、解離=瘤とは限らないため、現在は大動脈解離と呼びます。
どちらもいったん破れると命を落とす重大な病気ですが、この病気を少し知っておくだけでも安全性が高まりますので、この機会に学んでいただければと思います。
なおそれ以外にも「仮性瘤」というタイプがあります。これは大動脈が一部破れ、周囲の組織で一時踏みとどまったもの。つまりすでに破れた状態のため、そのままでは危険です。
それではさっそく、次ページで大動脈瘤について解説します。