不整脈の症状チェックポイント……動機・めまい・息苦しさなど

不整脈で苦しむ人

気になる症状がある場合は、不整脈の検査時にしっかり伝えるようにしましょう


症状だけでは、不整脈の重症度はわからないこともあります。危険な不整脈でも症状がなかったり、無害な不整脈でも強い症状が出ることがあるからです。

主な不整脈の症状は以下の通りです。

■動悸・胸の痛み
不整脈の症状として、まず挙げられる動悸。動悸の感じ方は人それぞれで、不整脈がなくても、動悸を訴える人もいます。脈が飛ぶ感じや、胸の不快感、きゅっとする胸の痛みとして感じることも。

この時の痛みは胸の狭い範囲で起こり、一瞬または数秒から数十秒以内で治まるのが特徴。これが狭心症と違う点です。突然始まる動悸も不整脈(特に頻脈)の症状です。脈拍数が1分間に120以上で、突然始まり、突然止まったり、またはまったく不規則に打つものは、病的な頻脈と考えられます。脈拍数が150を超えると血圧が下がり、息苦しくなったり、冷や汗が出たりすることも。こうした症状がある場合は、医師に相談しましょう。なお左側を下にして横になると、ほとんどの人が心拍動を感じますが、この多くは正常です。

頻脈の中には特に危険なものがあります。それは心室から来る頻拍で、ひどくなると血液が全身に行かなくなることがあります。なかでも心筋梗塞などの心臓の病気のある人に心室頻拍という不整脈が出てきた場合は、命に関わる「心室細動」という不整脈に移行することがあるため要注意です。これが、こうした方々に頻拍があれば早めに医師に相談することが勧められる理由です。

頻脈のなかでも脈がバラバラに不規則となるタイプがあります。これは心房細動という不整脈の症状で、高齢者では10人に1人くらいの割合で見られます。この場合は不整脈そのもののために死ぬようなことは稀ですが、心房の中に血のかたまり(血栓)ができやすくなり、それが脳に飛べば脳梗塞を起こすことがあります。そのため血栓を予防する必要があり、大事に至るまでに医師に相談することを勧めます。

「胸がドキッとする」「脈が飛ぶ」などの症状は期外収縮というタイプの不整脈です。一拍だけフライングして早く打つことでその拍動が脈として感じられなくなり、脈の途切れを感じたり、途切れた後の拍動を強く感じて"ドキッ"とします。期外収縮は心臓病の方だけではなく、健康な人でも起こります。「不整脈」を訴える人の大半がこの期外収縮によるもので無害のものも多いです。

■だるさ・体力低下・めまい・失神等
動悸以外の症状としては、だるさ、体力低下、運動能力の低下、ふらつき、めまい、失神などが挙げられます。なかでも失神は命にかかわる危険なサインで、血圧を維持できないほど心臓の調子が悪いときに起こります。特に何もしていないのにふわっとしたり、急に意識が薄れたり、なくなったりするなどの症状です。一時的に心臓が止まるか、ひどく速く打っている時などに出る症状なので危険です。急いで病院へ行って下さい。体がだるく、脈が1分間40以下で、体を動かすと強い息切れがおこるときは、脈が遅いため心不全になっている可能性があります。この場合も速やかに病院へ行きましょう。

こうした要注意の不整脈とは反対のものもあります。たとえば脈がときたま飛ぶとか、症状のない徐脈は心配が少なく、運動や精神的な興奮によって脈が速くなる場合も心配ありません。安全のためには、こうした不整脈でも気がつけば、原因となる心臓病がないことを確認するために一度検査を受けるのは賢明です。

また、不整脈を感じるときに過呼吸つまり息を「はあはあ」と早くしている場合は心臓の問題ではなく過呼吸症候群という精神的なものによることが多いです。若い女性などによく見られます。

不整脈そのものの症状と、その原因となっている病気の症状が合わさって、胸痛や息切れなどの症状を悪化させることもあります。こうした症状がある場合は要注意、速やかに医師に相談することをお勧めします。
 

不整脈の診断・問診で伝えるべきこと

不整脈の診断でも、問診は重要です。特に以下のポイントについては、なるべく正確に医師に伝えられるようにしておくとよいでしょう。
  • 脈が速いのか遅いのか
  • 規則的か不規則か
  • すぐに消えるのか続くのか、続くなら何分間ほどか
  • 他に症状があるのかどうか
  • 安静時に起こるか運動をしているときだけなのか、運動でも普通の運動か激しいものか
  • 突然始まるのかゆっくりと始まるのかどうか
  • 不整脈の背景になる情報として、心臓弁膜症や狭心症・心筋梗塞あるいは心筋症と言われたことはないか、甲状腺の病気を言われたことがないか
以上の項目は、特に診断の手掛かりになります。医師に相談する際にこれらを踏まえておくと、より迅速で的確な診断をすることができます。
 

不整脈の検査法……ホルター心電図・心エコーなど

心電図

心電図検査は不整脈の診断に欠かせません

心電図検査(ECG)が重要な検査方法です。以下のような方法で検査を行います。

■心電図・ホルター心電図
心電図は、心臓の電気活動をグラフで見ることができる装置。検査は痛みや危険もなく、ごく短時間で終わります。

心電図では不整脈が出ている最中にしか異常を見つけられないことも多いため、不整脈を診断するために、繰り返しあるいは24時間連続などの形で検査することもあります。これが「ホルタ―心電図」で、携帯式の小型心電計につながる電極を体に貼り付けて24時間心電図を記録し、異常を見つけます。ただしホルタ―心電図をつけた日に不整脈がでなければ診断はつきません。その場合は必要に応じて日を変えて検査し直すこともあります。

患者さんの立場からは、ホルター心電図実施中に、症状や活動内容を記録しておくと診断がより正確になります。たとえば運動中に不整脈が出ているとか、食事中に多いとか、明け方に多いなどですね。ホルタ―心電図によって不整脈の数や、危険な不整脈、症状との関係、狭心症はないかなどがわかります。

命にかかわる危険な不整脈が疑われる場合は、病院に入院します。この場合は何が起こっても対応できるように、心電図を継続的に記録するとともに、ベッドサイドあるいはナースステーションに置かれたモニター画面で監視します。

危険な不整脈の頻度が低いとこれらの方法ではその不整脈を捉えることができないことがあります。その場合、植え込み型ループ式心電計を用いることがあります。小さなスティック状の器械を胸の皮下に植え込み、最長3年まで不整脈を監視・記録でき、診断に役立ちます。

■運動負荷試験・電気生理学的検査
負荷心電図で普通の心電図ではわからない病気

負荷心電図で普通の心電図ではわからない病気がわかることも

より高度で精密な心電図検査として、運動負荷試験や電気生理学的検査などがあります。運動負荷試験では、階段を上り下りしたり、ベルトの上を歩いたり、自転車をこいでもらいます。運動によって不整脈が出るか、あるいはそれがどのように変わるか、狭心症が出るかどうかなどをチェックします。

電気生理学的検査では、先端に小さな電極のついたカテーテルを静脈に入れて心臓まで進め、カテーテルごしに心臓を電気刺激してそのときの心臓の反応を調べることで診断がつきやすくなります。

■胸部X線・心エコー その他の検査
エコー

心エコーで心臓や弁の情報が得られます

不整脈の原因を調べるためには心臓や他臓器の検査も必要になります。たとえば心臓については胸部X線写真や心エコー、冠動脈などへのMDCT、必要に応じて心カテーテル検査や各種造影検査などが役立ちます。とくに心エコー検査では心臓に弁や心筋の病気があるかどうかがわかります。それ以外には血液やホルモンなどを含めた各種血液検査などがあります。心エコー検査と運動負荷検査で異常がなく、ホルター心電図で危険な不整脈がなければ、不整脈が少々出ても、まず心配する必要はありません。

参考サイト: 心臓外科手術情報WEB 不整脈の外科治療や、不整脈の原因であるさまざまな心臓病の解説があります
 

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