心配な子どもの不整脈…学校心臓健診でも見つかる不整脈とは

心電図

本来は規則正しいはずの脈。不整脈がみつかったときは、様子見でよいものか、治療が必要なものかを知ることが大切です

不整脈とは、名前の通り、脈が不規則になることを言います。

通常、心臓は規則正しく拍動していますが、例えば高熱時や運動時には脈が速くなり、寝ている時には遅くなります。これは正しい拍動で、問題ありません。

問題となるのは、時に失神やけいれんなどの症状を起こしたり、突然死のリスクをはらむ不規則な脈です。

一言で不整脈といってもその種類はさまざま。脈が不規則になる原因は一つではありません。心電図で見たときにも、余分な脈が出ているケースや、全体的に脈が乱れているケース、脈が遅くなっているケースなどがあります。まずはドラマなどで目にすることがあっても、見方は知らない人が多い心電図の読み方を解説します。

心電図の読み方・不整脈はどんなとき・モニター

心電図

心電図での波の基本的形です

心電図検査では、胸に6つの吸盤のような電極、左右の手足に洗濯バサミのような電極を付けます。これによって、心臓に流れる微量な電気の流れを測定します。

心臓には4つの部屋があり、左右の心房と左右の心室で構成されていることは、中学理科の知識で覚えている人が多いかもしれません。電気の流れは心房から始まり、心室に伝わります。

右上の心電図での基本的な波の形をご覧ください。P波は心房の電気信号で、P波からQ波までは心房から心室に伝わる間のもの。Q波、R波、S波は、心室の電気信号が表れています。心房で発生した電気信号は心室に伝わります。

実際の心電図検査では、手足と胸からみられる9つの心電図を総合的にチェックします。

期外収縮とは…心房性期外収縮と心室性期外収縮

本来の心拍より早く出てくる心拍。主に、心臓の心房由来と心室由来があります。心房から出てくる期外収縮を「心房性期外収縮」、心室から出てくる期外収縮を「心室性期外収縮」と言います。

■心房性期外収縮
心房から正常と異なるP波が出てきます。数が多くなければ、無症状です。

■心室性期外収縮
心室から発生する電気信号によって心臓が収縮します。P波が見られずに、QRS波の幅が広くなります。年長になるほど見られるようになり、運動すると減少したり、消える場合は問題ありません。数が多くなければ、無症状です。しかし、運動によって増える場合は24時間心電図であるホルター心電図、心臓エコー検査などの詳しい検査が必要です。

上室性頻拍とは…症状と治療法

心房内か心房と心室の間の房室接合部と呼ばれる部分から出てくる電気信号が普通の心拍より早く出て、脈が速くなります。発作的に頻拍が出てくるものを「発作性上室性頻拍」といい、電気信号がグルグルと心房と心室を循環するため、心拍数は180以上になります。

特徴は心拍数が多く、R波とR波の間の間隔は一定になることです。症状として、心拍数が多いための動悸、胸部圧迫感、吐き気などが起こります。治療法としては、心拍数を下げるために副交感神経を刺激する方法があります。

まず試されるのは以下の方法です。
  • 冷水に顔をつける
  • 頸動脈をマッサージする
  • 眼球を圧迫する眼球圧迫する
  • 息こらえ
  • 嘔吐反射
これらの方法は、必ず、医師の指導を受けて行うようにしましょう。強く目を押さえすぎるのは危険です。

薬物治療としては、ATP、ジギタリス、ベラパミル、プロカインアミド、ジソピラミドなどの抗不整脈薬が処方されます。電気信号を整えるため、電気ショックを与える電気的除細動が必要になることもあります。

心室性頻拍とは……症状と治療法

心室性期外収縮が連続3拍以上続いて出現するもの。心泊数が少ないと無症状ですが、心拍数が多いと、意識を失ったり、さらに不整脈がひどくなって速やかに治療が必要になったりします。抗不整脈薬(ベラパミル、プロプラノロール、リドカイン、ジソピラミド)を使用したり、電気的除細動が必要になります。

次のページでは、電気の伝わり方が問題になる心房細動や心房粗動などの不整脈について解説します。