“クルマを知る人”こそ実感できるその価値
2代目となる現行モデルは2005年に登場。2008年のマイナーチェンジより、最高出力116ps/最大トルク155Nmを発生する1.7リッターエンジンにCVTを組み合わせたA180(269万円)とA180エレガンス(305万円)の2モデルをラインナップする。ちなみにモデル名はマイナーチェンジ当初はA170だったが、2009年に現在のA180に変更されている
日本車でいうところのフィットクラス位置するハッチバックカーだが、独特の背高モノスペーススタイルで他のコンパクトカーとは一線を画している。
同クラスの中では突出して短く、そして背が高い(ただし幅は広い)。コンパクトなボディの四隅にタイヤを配置し、車軸感距離(ホイールベース)をたっぷりと稼いだ。背の高いことと相まって、クラス随一の室内空間をもつ。
シート地はベーシックモデルがファブリック、エレガンスがレザーツイン(ファブリックと人工皮革のコンビ)を採用。エレガンスにはオプションで本革シート(33.6万円)やパノラミックラメラールーフ(17.325万円)も用意した。後席は分割可倒シートを採用。ラゲッジは387~1332リッターを確保している(日本仕様は右ハンドルのみ)
4気筒エンジンとCVTを組み合わせて積む。スペック的にはとりたてて強調すべき点はないし、CVTのフィーリングも今となってはもう古い。けれども実用上は、街乗りから高速まで、必要にして十分なパフォーマンスを発揮する。
安い=メルセデスベンツ・ブランドへの入門車、という考え方はもう古い。入門するならむしろ正統派セダンのCクラスを奨める。
Aクラスはもはや、ベンツ経験者や欧州車のベテラン(とその家族)が、セカンドorサードカーやダウンサイジング先の候補として、検討するクルマだ。若い世代からリタイア世代まで、幅広いニーズに応えるコンパクトカーだが、“クルマを知っている人”の方がその価値を実感できるように思う。都会で乗るクルマである。
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