オランダリーグには3人もの注目日本人選手が
アジアカップでレギュラーを務めたDF吉田麻也が所属するVVVフェンロ/オランダ)には、新たにカレン ロバート(前ロアッソ熊本)が加わった。05年のJリーグ新人王という実績を持つ25歳は、ケガなどの影響でここ数年ポテンシャルに見合った活躍ができていない。新たなチャレンジを飛躍のきっかけとしたい。同じくオランダリーグでは、安田理大がフィテッセの一員となっている。長友同様にユーティリティーなサイドバックの彼は、合流直後からスタメンで起用されている。周囲との連携が深まれば、持ち前の攻撃性能が発揮されていくだろう。
オランダではもうひとり、宮市亮がプレーしている。1月に高校選手権に出場していた18歳は、イングランドの名門アーセナルと契約を結び、オランダのフェイエノールトへレンタルされた。イングランドでプレーするために必要な労働ビザを取得するには、自国の代表チームの試合に75%以上出場していなければならないという基準があるためだ。つい先日まで高校生だった宮市には、高すぎるハードルである。
とはいえ、基準が緩やかになるケースはある。小野伸二(現清水エスパルス)がプレーしたことで知られるフェイエノールトは、オランダ国内でビッグ3に数えられる名門だ。新進気鋭の若手にとっては、イタリア、スペイン、イングランドなどへ移籍するための登竜門的なクラブでもある。欧州の出世コースのスタートラインに立った18歳の未来には、限りない可能性が拡がっている。
昨夏から今冬にかけてヨーロッパへ飛び出していった日本人選手は、そのほとんどが08年の北京五輪世代だ。3年後のブラジルW杯を、26歳から29歳あたりで迎える選手たちである。伸び盛りのタレントの成長は、代表チームのレベルアップに直結する。ヨーロッパ各国から伝えられる彼らの動向に、ぜひとも注目していただきたい。